その言葉に、胸の奥がぎゅっと締めつけられる。

望んでいたのは、こういう優しい愛だった。

名ばかりの妃としてではなく、一人の女として求められること。

「今夜、君を抱く。」

耳元で囁かれたその声は、甘くて低くて、背中をそっとなぞる風のようだった。

景文の指が、私の寝衣の紐をほどいていく。

さらりと布が落ちて、胸元から、素肌が露わになる。

「……んっ。」

恥ずかしさに肩が震えると、景文がそっとその背を抱きしめた。

「大丈夫。ゆっくりいこう。」

彼の手が、肌の熱を確かめるように触れてくる。

その体温に、私の心もほぐれていく。

やがて、景文の寝衣も脱がされ、肌と肌が、ふれる。

「――ああ、初めてだったな。」

私の様子に気づいた彼は、そっと囁いた。

「力をできるだけ抜いて。俺を信じて。」

私は頷き、目を閉じる。

そして、熱が――私の中に貫かれた。