「ゴブリンだと?」
「まじかよ?」
二人の盗賊は驚きを浮かべた。「たかがゴブリン」に仲間が三人も殺されたことでショックを受けているようだった。
きっと、忍者や暗殺者だの、スカウト(斥候)の人間を予想していたのかもしれないが。あながちに見当外れでないのが皮肉さだった。
「気をつけろ。他のゴブリンや人間の刺客がいるかもしれん」
「いいや。俺一人だ」
二人の盗賊は顔を見合わせた。
「おい、こいつって」
「ああ、変なゴブリンがいるとか聞いたが」
さすがに噂になってきたらしい。
これはこれで好都合ではある。そうして社会的に認知されれば、いずれは人間たちとも交渉や付き合いが持てるようになるのだから。
「こ、このっ!」
「遅いッ!」
近い方が剣を振り上げたが、振り下ろされる前に転がり抜ける。ついでに足を深く、ナイフで切り裂く。すぐに殺しては面白みもないし、こっちの動作テストの練習台にしたい。まだ喉を切ったり、心臓を抉ったりはしない。
二人目はもう少し慎重だった。睨み合っているうちに、背後から足を切った奴が起き上がってくるのが気配と影の動きでわかる。剣でも投げつけてくるのかと思っていたが、はいずって背後から突くつもりらしい。
呼吸音で察知して、横に転がりよける。
そのままバックステップで後退し、今度こそは喉を逆手のナイフで切り裂く。血しぶきあげて剣を手放して、喉首を押さえる仕草をする。
襲いかかってくるもう一人の斬りつけを、ひょいっと体を回す案配で瀕死のもう一人を引っ張って、楯替わりにした。ざっくり切り裂かれて絶命する男を捨て置き、血塗られた剣が盗賊仲間から引き抜かれるまでの僅かな時間で、最後の一人の脇腹を刺す。刺すだけでなく、刃先で内臓をかき混ぜ抉ってやった。
激痛で剣を手放して尻餅したところへ、こっとから襲いかかって一方的に五回も六回も切り裂いた。ガードした腕を切り、とっさガラ空きになった顔面を一閃し、両目を切り結んでやる。みぞおちを、体重をかけて刺し、転がった背中側から肋骨の隙間にナイフ。肺が破れて血で溺れだす。さらに腎臓の位置を刺し抉った。泣きながら弱々しい悲鳴でのたうち回っている。いい気味だ。
(反省はいらない。死んでおけ)
俺はテントの中身をあさりにいくことにする。使えそうなものや、金や交換役立ちそうなものが欲しい。作りかけ食事は焚き火の鍋で煮えているようだったが、そっちはあとでいい。
「まじかよ?」
二人の盗賊は驚きを浮かべた。「たかがゴブリン」に仲間が三人も殺されたことでショックを受けているようだった。
きっと、忍者や暗殺者だの、スカウト(斥候)の人間を予想していたのかもしれないが。あながちに見当外れでないのが皮肉さだった。
「気をつけろ。他のゴブリンや人間の刺客がいるかもしれん」
「いいや。俺一人だ」
二人の盗賊は顔を見合わせた。
「おい、こいつって」
「ああ、変なゴブリンがいるとか聞いたが」
さすがに噂になってきたらしい。
これはこれで好都合ではある。そうして社会的に認知されれば、いずれは人間たちとも交渉や付き合いが持てるようになるのだから。
「こ、このっ!」
「遅いッ!」
近い方が剣を振り上げたが、振り下ろされる前に転がり抜ける。ついでに足を深く、ナイフで切り裂く。すぐに殺しては面白みもないし、こっちの動作テストの練習台にしたい。まだ喉を切ったり、心臓を抉ったりはしない。
二人目はもう少し慎重だった。睨み合っているうちに、背後から足を切った奴が起き上がってくるのが気配と影の動きでわかる。剣でも投げつけてくるのかと思っていたが、はいずって背後から突くつもりらしい。
呼吸音で察知して、横に転がりよける。
そのままバックステップで後退し、今度こそは喉を逆手のナイフで切り裂く。血しぶきあげて剣を手放して、喉首を押さえる仕草をする。
襲いかかってくるもう一人の斬りつけを、ひょいっと体を回す案配で瀕死のもう一人を引っ張って、楯替わりにした。ざっくり切り裂かれて絶命する男を捨て置き、血塗られた剣が盗賊仲間から引き抜かれるまでの僅かな時間で、最後の一人の脇腹を刺す。刺すだけでなく、刃先で内臓をかき混ぜ抉ってやった。
激痛で剣を手放して尻餅したところへ、こっとから襲いかかって一方的に五回も六回も切り裂いた。ガードした腕を切り、とっさガラ空きになった顔面を一閃し、両目を切り結んでやる。みぞおちを、体重をかけて刺し、転がった背中側から肋骨の隙間にナイフ。肺が破れて血で溺れだす。さらに腎臓の位置を刺し抉った。泣きながら弱々しい悲鳴でのたうち回っている。いい気味だ。
(反省はいらない。死んでおけ)
俺はテントの中身をあさりにいくことにする。使えそうなものや、金や交換役立ちそうなものが欲しい。作りかけ食事は焚き火の鍋で煮えているようだったが、そっちはあとでいい。

