(いた。いやがった。俺が上位捕食者だ!)
このファンタジーな世界ではどこにでもいる「盗賊」というゲスな人種。獲物発見!
そして俺はモリオ。女神様の手配した転生者で今は「ゴブリン」だ。強制や偶然ではなく、わざと考えて選んだ。さながら類人猿のような体力と運動力があって大自然サバイバル生存能力が最高なゴブリンに、いくつか注文をつけて。
(パッと五六人か)
テントの横で、すっかり軽装で油断している。食事の支度みたいだが、どうせ村から奪ってきた食べ物だろう。ご苦労、それは有難く俺が食ってやるよ。
盗賊の分際で人間らしい食事と団欒って、甘い甘い。君たちは無法者で、法律でも人間倫理でも守られていない存在だって自覚はあるのかい? 野性の掟は厳しいんだぜ?
(ぜってー俺ってニヤニヤしてるじゃん。絶対に邪悪な顔してるわー)
だがゴブリンは小柄で、今の自分は身長が百四十くらいしかないのだし、サバイバルや気配を消す能力も格段にアップしている。現に奴らは俺という災厄の接近に気づいてすらいない。哀れ。
まずは、石で殺す。投石は習熟スレッドかなり強い攻撃手段だが、ましてやゴブリンの野性の腕力で、しかも俺は「投石器」を使う。奪った革のベルトと布で作った手製だが、野性のゴブリン偶然と幸運に恵まれねば使えない代物だ。
当たったらどうなるか。
顔や頭にいきなり百キロの速球が直撃してごらん。しかもボールでなくて石なの。
投げる。当たる。
もう一発投げて追撃。今度は側頭部。
ダウン、動かなくなる。
(よし、移動だ)
第二投で姿を見られたようだ。
ここは丈高い草に紛れて、位置を変えよう。
できたらもう一回くらい投石で攻撃したかったが、こちらの草むらに二人くらい入ってきてしまっている。
でも手はあるし、むしろそれが狙いなの。
こっちにゃ鹵獲品のダガーナイフや投げナイフが何本もある。
こんな丈高い草林にノコノコ入ってきて、敵(餌食)は頭が見えて場所がまるわかり。こっちは中腰で隠れて進んで、見つからずに近寄っていく。なんせゴブリンは四足歩行みたいな歩き方があんまり苦にならない生き物なの。
(死ね、バーカ)
鍛錬を積んだ洗練された動きで、背後から心臓を一突き。
普通のゴブリンは意識的な練習もしないだろうし、武器の合理的な使い方や戦術なんか考えもしないだろうが。俺は別だよ、(知能は)人間なんだもの! きっと虎やライオンどころか大型の犬や猿が人間並みの知能があって、手が使えて二足歩行できたら、普通の人間種族は生存競争で滅亡しているはずだ(たとえ刃物や鉄砲など武器のアドバンテージがあったって「奪われたり鹵獲して使われたらそれまで」なんだから)。
このファンタジーな世界ではどこにでもいる「盗賊」というゲスな人種。獲物発見!
そして俺はモリオ。女神様の手配した転生者で今は「ゴブリン」だ。強制や偶然ではなく、わざと考えて選んだ。さながら類人猿のような体力と運動力があって大自然サバイバル生存能力が最高なゴブリンに、いくつか注文をつけて。
(パッと五六人か)
テントの横で、すっかり軽装で油断している。食事の支度みたいだが、どうせ村から奪ってきた食べ物だろう。ご苦労、それは有難く俺が食ってやるよ。
盗賊の分際で人間らしい食事と団欒って、甘い甘い。君たちは無法者で、法律でも人間倫理でも守られていない存在だって自覚はあるのかい? 野性の掟は厳しいんだぜ?
(ぜってー俺ってニヤニヤしてるじゃん。絶対に邪悪な顔してるわー)
だがゴブリンは小柄で、今の自分は身長が百四十くらいしかないのだし、サバイバルや気配を消す能力も格段にアップしている。現に奴らは俺という災厄の接近に気づいてすらいない。哀れ。
まずは、石で殺す。投石は習熟スレッドかなり強い攻撃手段だが、ましてやゴブリンの野性の腕力で、しかも俺は「投石器」を使う。奪った革のベルトと布で作った手製だが、野性のゴブリン偶然と幸運に恵まれねば使えない代物だ。
当たったらどうなるか。
顔や頭にいきなり百キロの速球が直撃してごらん。しかもボールでなくて石なの。
投げる。当たる。
もう一発投げて追撃。今度は側頭部。
ダウン、動かなくなる。
(よし、移動だ)
第二投で姿を見られたようだ。
ここは丈高い草に紛れて、位置を変えよう。
できたらもう一回くらい投石で攻撃したかったが、こちらの草むらに二人くらい入ってきてしまっている。
でも手はあるし、むしろそれが狙いなの。
こっちにゃ鹵獲品のダガーナイフや投げナイフが何本もある。
こんな丈高い草林にノコノコ入ってきて、敵(餌食)は頭が見えて場所がまるわかり。こっちは中腰で隠れて進んで、見つからずに近寄っていく。なんせゴブリンは四足歩行みたいな歩き方があんまり苦にならない生き物なの。
(死ね、バーカ)
鍛錬を積んだ洗練された動きで、背後から心臓を一突き。
普通のゴブリンは意識的な練習もしないだろうし、武器の合理的な使い方や戦術なんか考えもしないだろうが。俺は別だよ、(知能は)人間なんだもの! きっと虎やライオンどころか大型の犬や猿が人間並みの知能があって、手が使えて二足歩行できたら、普通の人間種族は生存競争で滅亡しているはずだ(たとえ刃物や鉄砲など武器のアドバンテージがあったって「奪われたり鹵獲して使われたらそれまで」なんだから)。

