紺色のなかにある花弁雪

「本気で走れば間に合うかな?」
「もう、あきらめましょうよ」

 残業のせいで帰りが遅くなった。終電が発車する五分前。私たちはあきらめて立ち止まった。



「全力で走れば間に合ったかもな……荒木はこれからどうするの?」

「駅の近くにあるネカフェで始発まで時間潰しでもしますかねぇ……」

 駅が小さく見える交差点で今、私よりも三歳年下で二十四歳の後輩、荒木とふたりきりでいる。彼は職場ではいつもテンション高めで輪の中心にいることが多いけれど、でも誰にも本音を見せない雰囲気も纏っていて、掴みどころのない男。

「真希さんは、この後、どうします?」
「うーん、明日休みだし、荒木についていこうかな?」
「タクシー、拾います?」
「私がもしもいなかったら、荒木は歩いていく予定だった?」
「まぁ、近いんで」

 近いのか――雪は少し降っているけれどそんな寒くはないし、歩きでも大丈夫かな?

「じゃあ、歩くかな。場所分からないから、とりあえずついていく」
「了解っす!」

 荒木は私の前をゆっくり歩いていく。私は彼の後ろを歩いた。近いって言うから、五分ぐらいで着くかと思っていたのに。

「結構、歩くね?」
「そうっすか?」
「あと何分ぐらいで着く?」
「十五分ぐらいでしょうか?」
「あれ? そんなに遠いの? 駅の近くって言ってなかったっけ?」

 前を歩いていた荒木は突然立ち止まり、振り向いた。

「一緒に歩きたかったんで、目的地が遠くなりました」
「……何それ?」
「そのままっす」

 いつものような明るい笑顔で彼はそう言った。本当によく分からない男だな。ただ適当なのか、それとも深い意味を含んでいる言葉なのか。

 再び歩きだすと、荒木は大きな公園の中に入っていった。

「公園通るの、近道?」
「全然、遠回りっす」

 荒木は急に止まり、しゃがみだす。

「どうしたの? 大丈夫?」

 覗き込むと雪玉を作っていた。荒木は身長が高くて筋肉もあり、全体が私よりも遥かに大きいのだけど、少年のように見えてきて可愛く思えてくる。私もなんとなく、荒木の横に並んでしゃがんだ。そして真似をして雪玉を作った。

「こんなことしたの、かなり久しぶりかも」
「真希さんはもう、俺と違って大人ですもんね」
「いやいや、荒木も大人だから」

 私と荒木は見つめ合い、それから微笑み合った。

「今日の雪は湿り気があって、雪玉作りやすいすね」
「そうだね」
「このまま、こうして――」

 荒木は雪の上に雪玉を置いてコロコロしだした。楽しそうな雰囲気な荒木に釣られて私も同じことをした。雪玉がどんどん大きくなってくる。それは両手で持たないと持てないぐらいの大きさになった。

「寒いはずなのに、暑くなってきた! 楽しいね」

 今私は、大人の本気の遊びをしている。こんな無邪気にいられる時なんて、滅多にない。

「真希さんが作った雪玉、そこに乗せていいですか?」と、荒木は端に寄せてある、自ら作った大きな雪玉を指さす。

「いいよ」と返事をすると、荒木は私が作った雪玉を持ち上げて、それに乗せる。

「雪だるまだ!」
「雪だるまっす。そしてこれをつけて、と」

 荒木は落ちていた枝をひとつ拾い、雪だるまの手の位置につけた。

「可愛い!」と言いながら私はスマホで一枚写真を撮る。

「真希さんも雪だるまと一緒に写りませんか? 俺、撮りますよ?」
「私は、写らなくていいかな?」
「いや、撮りますって」
「うーん、じゃあ」と、強引な態度に負けて私はスマホを荒木に渡した。

 とりあえずしゃがみ、雪だるまに顔をよせて口角を上げてみる。

「いいっすね」と言いながら荒木はシャッターボタンを何度も押している様子だった。荒木からスマホを返してもらい、私は画面を見てどう撮れたのか確認をする。雪だるまと、少し照れた微妙な笑顔の私が写っていた。

「いい写真っすね!」
「そうかな?」
「最高っす。真希さん、雪だるま似合ってて可愛いから、後から俺のスマホに送ってください」

 久しぶりに可愛いだなんて言われて、少し照れちゃうな――。

「でも、荒木の連絡先知らないしな……」
「じゃあ、今から交換しましょうよ」
「う、うん。分かった」

 ぐいぐいくるから、流されるように連絡先を交換した。交換すると、すぐにスマホをバッグにしまった。そしてまた私は小さな雪だるまをいくつも作り、ふたつひと組にして小さな雪だるまをたくさん作った。横では荒木も同じ動きをしていた。

「さて、そろそろネカフェに行こうか……寒くなってきたし」
「了解っす!」

 並べられた雪だるまも写真に撮った。そして公園を出るとネカフェに再び向かう。街灯の光が雪に反射して、夜の街がほんのり明るくて綺麗だ。

「ねえ、荒木、また遠回りしてない?」
「いやいや、ちゃんと近道っすよ」

 荒木は振り向くと微笑む。その笑顔がなんだか悪戯っぽくて、信じてもいいのか怪しい。まぁ、怪しいと思うのなら今すぐスマホで地図を見れば一発で正解が分かるのだけど、私はスマホを開かなかった。

 荒木に流されていたい気分で。だって、楽しいから――。

「ほんとかなあ。さっきの公園までの道も遠回りだったよね?」
「まぁ、雪だるまが作れたから、結果オーライじゃないっすか?」

 たしかに――あの無邪気な時間は有意義な時間だった。最近は仕事に追われる毎日で、家と会社の往復で精一杯だった。こんなふうに雪で遊ぶなんて、景色が綺麗だなんて感じたのは、何年ぶりだろう。

 荒木の軽くみえるそのノリに付き合っていると、ずしんとして重たかった心が軽くなってゆく気がした。

「真希さんは雪、好きっすか?」と、荒木が突然聞いてきた。

「うーん、子供の頃は好きだったかな。今は、電車止まったり、歩きずらかったり……あと除雪もしないといけないし、雪が降る日は色々と面倒だなって思っちゃう」
「真希さんは大人っすねえ」
「なぜそこで大人だと思うの?」
「いや、なんとなく? 俺なんて雪を見た瞬間にテンション上がっちゃって……初雪の日には特にはしゃいじゃって、走り回りますよ」
「犬みたいにはしゃいでる荒木、すっごい想像できる」

 つい私は想像して、声を出して笑ってしまった。

「荒木って、ほんと子供っぽいよね」
「それ、褒め言葉っすか?」と、彼はニヤッと笑う。

「褒め言葉だよ!」

 本当にそう思う。荒木のそんなとこをもっと見習って、もっと気軽に生きたい。

「なら、いいですけど。まぁ、雪見ても全然テンション上がらなかった時期もあったんですけどね」
「荒木でも、そんな時があるんだ?」
「ありますよ」

 そんな感じで和気あいあいと話しながらしばらく歩いていると、ネオンが光るネットカフェの看板が見えてきた。ビルの一階で、ガラス越しにカウンターと派手めなアニメのポスターが見える。荒木が「着いたっす!」と自動ドアの前に立つ。

ドアをくぐると、暖かい空気が頬を撫でてきた。

「荒木、実は私、ネカフェとか来たことないんだけど……」
「まず、会員になりましょう。すみません――」

 荒木は受付カウンターにいる、若い男性の店員に声をかけてくれた。私は身分証を提示したり申込書に記入をしたりして、会員カードを作り終えた。

「よっしゃ、ブース選びますか!」

 カラオケルームやファミリールームまであるんだ……。数ある中から、二人用のブースを選んだ。廊下を進み、仕切られたブースに入る。中は思ったよりも狭い。二人分の座椅子と小さなテーブルがある。テーブルの上には、手前部分に物が置けるような小さなスペースがあり、そこ以外はモニターがぎゅっと詰まっている感じだ。

「真希さん、漫画読みます? それともネットで何か見ます?」と、荒木が慣れているように椅子にドカッと座りながら聞いてくる。

「うーん、なんかお腹空いてきたかも。食べ物のメニュー表ってある?」

私がそう言うと、荒木はテーブルの端に置かれたメニュー表を手に取った。

「これっす。俺の中ではカレーがおすすめです」

 目をキラキラさせながら荒木は言う。

「荒木は、カレーが好きなの?」
「好きっす! 家でもよく作ります。隠し味にはチョコを入れます」
「チョコ!? 美味しいの?」

 私は笑いながら聞き返す。

「まじ美味いですよ! 真希さん、今度家に来て食べてみてくださいよ。俺の特製カレー」と、荒木は胸を張る。

 自信満々な荒木の顔が幼く見える。多分私は今、とても優しい眼差しで荒木を見つめていると思う。

「荒木の家か……」

 そう呟きながらメニューを見ると、カレーは、普通、中辛、辛口の三種類あった。値段は五百円。他にもチーズやハンバーグがトッピングされたものもある。

「私は普通のにしようかな。味どうしよう……荒木は?」
「俺、甘口でいきます! 真希さんは辛いの得意ですか?」
「いや、結構苦手、かな」
「え、意外ですね」
「そうかな……私、辛いの得意そうな顔してる?」
「いや、どちらかと言えば甘口が似合います」

 荒木にとって私は甘口が似合いそうなのか……。職場では結構ツンとしちゃってて自分では辛口かなって思うけれども、荒木からはそんなふうに見られていないってことかな?

 私は甘口と中辛でとても迷い、結局中辛に決めた。

 注文を済ませると、飲み放題ドリンクバーの飲み物を選んで持ってくるのと、漫画の棚を物色するためにブースから出た。

「真希さん、これ読んだことあります? 『花の行方』、名作っすよ」と、荒木は少女漫画を手に持っている。

「え、荒木って、少女漫画読むの?」と驚くと、彼は「いや、姉貴が読んでたんで、ついハマっちゃって」と、ちょっと照れたように笑った。

 そのギャップも可愛いな。と、ついニヤニヤしてしまう。私はその漫画を手に持てるだけ持つと、ドリンクバーにある烏龍茶も手に持ちブースに戻った。

 漫画を読み少し経つと、カレーが運ばれてきた。プラスチックのトレーに乗った、シンプルな見た目のカレー。スパイスの香りがブースに広がり、なんだかより一層お腹が減ってくる。

「いただきます!」

 二人で同時にスプーンを手に取った。一口食べると懐かしいような味がする。学校で昔食べてたような味?

「これ、美味しいね」
「でしょ! ここのカレーは、侮れないっす」

 荒木は得意げな様子でふふんと鼻を鳴らした。彼は会社以外でも常にテンション高めだな。疲れないのかな。

「荒木は、職場以外でもいつもこんなテンションなの?」と、食べながらふと聞いてみた。

「普段はそんなに。なんか、真希さんと一緒だからいつもよりハイになってますね」と、カレーを頬張りながら荒木は笑った。その言葉に、なぜか少しドキッとしてしまう。

「荒木は、お世辞が上手いよね」
「俺、お世辞は苦手かな……本当に思ったこととかしか言えないっす」

 近距離で見つめ合い、胸の辺りがモゾモゾしだして、なんだか気まずく感じてくる。私は視線をカレーに移すと、カレーを黙々と食した。

 先に完食した荒木は、空のコップを持つとブースから出ていった。ドリンクバーでコーラやオレンジジュースや……色々適当に混ぜた謎のドリンクを作って戻ってきた。

「それ、美味しいの?」
「分からないっす。感覚を信じて冒険してみてます」

 そして荒木はひと口飲むと「意外と美味しい……」と呟く。

 私もカレーを完食した。

「私もドリンクバー行くから、食べ終わった食器持ってくね」
「あざーっす!」

 荒木は二年前に入社してきた。この軽い感じのお礼も、出会った時からこんな感じだった。荒木だから気にならずに受け入れられていたなと、ふと思う。

 食べ終えたふたりの食器を使用済み食器置き場に置いてから、ドリンクバーのコーンスープをカップに注いだ。注ぎながら、荒木と今一緒にここにいるキッカケを思い出す。

終業時間の間際に、急にまとめないといけない取引先との書類が私のところに来た。就業時間内で仕事を終わらせてさっさと帰りたかったから、正直「このタイミングで?」と、心の中でイラッとしていた。その時に「ひとりじゃ大変だから俺も手伝いますよ」と、荒木が申し出てくれたのだ。

 そんなきっかけで、今に至る。

 戻ると荒木はモニターで青春っぽいアニメを見始めていた。私は横で漫画の続きを開く。

 この狭い空間で、無言でそれぞれ好きなことをしている。荒木とこんな時間を初めて過ごしたけれど、とても心地良かった。絶対にこの環境、あの苦手な上司やあの同僚と一緒だったのなら逃げ出したくなるな。

――本当に、荒木と一緒にいるこの環境は心地よい。

「真希さん、今日はなんか、楽しそうっすね」

 漫画本が三巻に差し掛かるタイミングで荒木が話しかけてきた。

「うん、こういう時間は久しぶりだから、すごく楽しい」と、私は素直に答える。
「真希さんが楽しそうで、良かったっす」

 荒木のお陰で、仕事の疲れが少しずつ溶けてゆく気がした。



 相変わらずそれぞれ好きなように過ごす私たち。私は十五巻まである漫画を全て読み切りたくて、集中して読んだ。

 足早に時間はかけてゆき、気がつけばもうすぐ午前の四時。

「そろそろ始発の時間かな? 漫画最後まで読めなさそう……」

 私の言葉を聞くと荒木がスマホを覗き込む。

「始発は五時十分の電車っすね。帰る準備、始めます? ちなみにその漫画はアプリでも読めますよ」
「そっか、じゃあ続きはアプリで読もうかな? というか、駅まで、また歩くのか……」
「タクシー拾います?」
「……ううん、荒木が大丈夫なら、また歩きたいかな」
「俺は、余裕っす」

 一緒に歩く時間も好きだったから、また歩けて嬉しいな――。

 あと五分でもいいから少しでも長くここにいたいな、すごく名残惜しい。だけどブースを出ると、受付で精算を済ませた。



 外に出るとまだ暗かった。冷たい空気が一気に体を包んでくる。積もりきった雪に街灯の光が反射し、街全体がほのかに光っていた。だけど静かで、眠っているような街。終電を逃した時の瞬間なまま、まるで時間が止まっているみたいだった。だけど、それはただの、私の願望。ふたりの時間の終わりがみえてくる。

――時間が巻き戻ればいいのに。

 室内で暖められていた身体の体温が、寒さで急に下がっていく感じがしてきた。

「寒いっ!」と、私が身震いすると「真希さん、大丈夫っすか?」と言いながら、荒木は自分の紺色のマフラーを外す。そしてなんと、私の首にそのマフラーを巻いてきた。そんなことをされるのは一切慣れていないから、倒れそうなくらいに動悸がしてくる。

「いや、いいよ! 荒木の首元が寒くなっちゃう」
「俺、平気っすよ。筋肉あるんで!」

 さっきまでの子供みたいな様子とは違い、急に荒木が大人っぽく見えてきた。

「荒木って、本当によく分からないね」
「そうっすか?」
「うん、分からない。無邪気な子供になったり、急に頼れる大人になったり……いつも笑顔なのに闇が深そうだなとか思わせてきたり」
「うれしいっす」
「なんでうれしいの? 何も褒めてないよ?」
「だって、真希さん、俺のことをそこまで見てくれているから……」
「そうかな?」

 真剣な表情になった荒木と目が合うと心臓が跳ねる。私は視線をかわすように足元を見た。

「寒いの、大丈夫っすか?」

 突然訪れるあたたかい感触。荒木が私のことを抱きしめてきた。

「荒木? これはちょっと……」
「真希さんの体温を上げたいです」
「まだ寒いけど、もう大丈夫だよ」

 緊張してきて、私の声が少し震えてくる。荒木を跳ね除けることもできるけれども、このままでいたくて私はされるがまま、荒木に包まれた。

「そろそろ、行きますか」と、荒木の言葉を合図に私たちは離れた。

 駅に向かって歩き出す。昨日は比較的暖かかったから、雪が水になり真夜中に凍った歩道は少し滑りやすくなっていた。私は慎重に足を進めた。

 荒木は私に合わせて、ゆっくりと歩いてくれた。

 大きな雪の粒が、ゆっくりと舞い降りてきた。紺色の空に、白い花が浮かんでいるようで、なんだか幻想的。

「雪が今日は綺麗に感じる」
「俺と過ごしてるからっすかね?」

 いつもなら「何言ってるの荒木」なんて笑いながら言葉をかわすだろう。今はそのまま流したくはなかった。

「うん、そうかも……荒木と過ごしてるこの時間、このまま止まっちゃえば良いのにって思っちゃった」と私は声を振り絞り、静かに言った。

「俺も……」

 いつもの荒木はテンション高めな声なのに、珍しく低くて柔らかくて、胸にじんわりと響いてくる。

 駅に近づくと、ホームの明かりが見えてきた。始発の時間まであと少し。ホームには誰もいない。そしてついにホームに着いた。着いてしまった。

「始発、来ちゃうね」
「なんか……ちょっと寂しいですね。真希さん、手、繋いでいいですか?」
「うん、いいよ」

 無言で待つ私たち。言葉はなくても、隣に荒木がいるだけでなんだかあたたかい。手の温もりも、とても安心感を得るようなあたたかさで。そして触れた手を意識していると胸の鼓動が早くなる。

 電車のヘッドライトが遠くに見え、ゴーッという音が近づいてくる。いつもはこの風景を見ると、やっと家に帰れるなとほっとした気持ちに包まれるけれど、今日は切なさが胸の奥から溢れてくる。

 空にはまだ紺色がほのかに残っていて、薄暗い。雪の降る量が増えてきた。

「今日の雪、大きいよね」
「花弁雪(はなびらゆき)っすね」
「花弁雪って言うんだ……なんか可愛い雪だよね」

 私たちは手を繋いだまま電車が来るまでずっと空を見上げていた。

 荒木と一緒に残業して良かった。もしも残業がなかったら、いつものように帰宅していたら、お酒をひとりで飲んで、愚痴を頭の中でひたすら呟いて寝るだけだったろうなと思うから。そして荒木と過ごしているこの時間がとても楽しかった。

――それは、もっと、この時間が長く続けば良いのにとおもってしまうほどに、だ。

「本当に荒木といるの、楽しかった。また私と遊んでくれる?」
「遊びましょう。次はきちんと計画立てます!」
「計画立ててくれるんだ、楽しみにしてるから」

 頬を突き刺す冷たい風と共に、電車が目の前に止まる。

 電車のドアが開くと手を離し、二人で中に乗り込んだ。ドアが閉まると、ふたりきりの幸福な夜が、静かに終わりを告げた。
 
 
**.✼ ゜


――この夜を、きっと忘れないだろう。