「これは、国を護るための、特別な王族の務めにございます。霊神様と人とが、魂を繋ぐ逑となることで、その国を幾千年もの間、見守り続けると記されております」
老学者は、解読した内容を皇帝と王妃に報告した。王城には、さらに資料が増えていく。
4体の霊神は、もともと霜霞国となる前の4国時代に、それぞれ一体ずつ、各国を見守る存在だったそうだ。南国の資料は、戦火で失われていたため、西国の元王から取り寄せた資料と、北国の王城だった建物から持ち出してきた資料を合わせて、学者たちがこぞって解明に取り組んだ。
その中で判明したのは、桔梗の前に、霊神と婚儀を交わした女性と、婚儀にまつわる手順だった。婚儀を交わしていたのは、西国の皇女。続けて書かれていたのは、桔梗にとって、あまりにも残酷な真実だった。
「霊神と婚儀を交わす際には、名や身分などの地位も含む名誉や富、財産に至るまでの一切を全て捨て、無の存在となりて執り行う」
と書かれていた。
名を捨てること。それは、この国において、存在そのものを否定することと同義であった。
名を持つ者だけが帳に記され、人として認められる。名を失ったものは、蔑まれ、差別される運命にある。
老学者は、解読した内容を皇帝と王妃に報告した。王城には、さらに資料が増えていく。
4体の霊神は、もともと霜霞国となる前の4国時代に、それぞれ一体ずつ、各国を見守る存在だったそうだ。南国の資料は、戦火で失われていたため、西国の元王から取り寄せた資料と、北国の王城だった建物から持ち出してきた資料を合わせて、学者たちがこぞって解明に取り組んだ。
その中で判明したのは、桔梗の前に、霊神と婚儀を交わした女性と、婚儀にまつわる手順だった。婚儀を交わしていたのは、西国の皇女。続けて書かれていたのは、桔梗にとって、あまりにも残酷な真実だった。
「霊神と婚儀を交わす際には、名や身分などの地位も含む名誉や富、財産に至るまでの一切を全て捨て、無の存在となりて執り行う」
と書かれていた。
名を捨てること。それは、この国において、存在そのものを否定することと同義であった。
名を持つ者だけが帳に記され、人として認められる。名を失ったものは、蔑まれ、差別される運命にある。



