しかし、碧嶺と蒼翼が駆け付けたときには、すでに、蓮花の足元に、転移紋が光を放ち、蓮花の伸ばした腕は、碧嶺に届くことはなく、光の粒となって消えた。
蓮花が転移した場所は、かつて7年間、息を殺して生活してきた、あの霞守家の王城だった。蓮花は、冷たい地下の牢屋に放り込まれた。名目は、「皇女を傷つけた罪」での処刑だった。
名喪人として島に来たはずの桔梗が皇女として霜霞国の人々に覚えられている。
幻衣でさえ桔梗を名喪人だと判断して通したのに、桔梗は帳に細工をしたのだろうか。
蓮花は帳に愛されていると言われる桔梗がそこまでして自分を忌み嫌う理由が分からなかった。
処刑されるその日まで、蓮花は、恐怖に怯えながら日々を過ごすしかない。地下牢には、蓮花以外にも多くの人々が捕らわれていた。その中には、日付の感覚も分からなくなるほど監禁されている者もいた。蓮花は、その絶望的な空気に、心を押しつぶされそうになった。
一方、王城のとある広間では、桔梗の婚約相手を探すためのパーティーが開かれていた。
「国中を探しても、彼女以上の娘はいない」と人々は噂した。皇女・霞守 桔梗。統治された霜霞国を束ねる皇帝のひとり娘。その名は国中に知れ渡っており、帳に愛された優秀な女性だと、人々は信じていた。
パーティーに参加した者たちは皆、「皇女の目にかなう相手が誰なのか」と、期待に胸を膨らませていた。しかし、本格的に皇女が結婚適齢期を迎えても、一向に婚約相手が決まる気配はなかった。
「皇女さまに釣り合う殿方がいらっしゃらないだけです」
蓮花が転移した場所は、かつて7年間、息を殺して生活してきた、あの霞守家の王城だった。蓮花は、冷たい地下の牢屋に放り込まれた。名目は、「皇女を傷つけた罪」での処刑だった。
名喪人として島に来たはずの桔梗が皇女として霜霞国の人々に覚えられている。
幻衣でさえ桔梗を名喪人だと判断して通したのに、桔梗は帳に細工をしたのだろうか。
蓮花は帳に愛されていると言われる桔梗がそこまでして自分を忌み嫌う理由が分からなかった。
処刑されるその日まで、蓮花は、恐怖に怯えながら日々を過ごすしかない。地下牢には、蓮花以外にも多くの人々が捕らわれていた。その中には、日付の感覚も分からなくなるほど監禁されている者もいた。蓮花は、その絶望的な空気に、心を押しつぶされそうになった。
一方、王城のとある広間では、桔梗の婚約相手を探すためのパーティーが開かれていた。
「国中を探しても、彼女以上の娘はいない」と人々は噂した。皇女・霞守 桔梗。統治された霜霞国を束ねる皇帝のひとり娘。その名は国中に知れ渡っており、帳に愛された優秀な女性だと、人々は信じていた。
パーティーに参加した者たちは皆、「皇女の目にかなう相手が誰なのか」と、期待に胸を膨らませていた。しかし、本格的に皇女が結婚適齢期を迎えても、一向に婚約相手が決まる気配はなかった。
「皇女さまに釣り合う殿方がいらっしゃらないだけです」



