「澄遥は、自分自身の研究資料を、なんとか持ち出せたみたいで作ったらしい。中に自身の名前が書いてあったから、何とかなったんだけど、以降の島人たちは、名が分かるようなものを所持していなくてね。今までは、名を省いた状態で使っていたんだ」
碧嶺は、蓮花に、感謝の気持ちを伝えるように、語りかける。
「これも全て、蓮花のおかげだ。澄遥が言っていたという『いつか名を取り戻す人が現れたときに島人たちの名を記しなさい』というものが、これほど早く実現するとは思っていなかった。本当に、良かった」
少し瞳を潤ませながら話す碧嶺に、蓮花は、少し胸が痛むような気がしたが、深く気に留めることはなかった。
「それで、蓮花はどうして僕の部屋に戻ってきていたんだい?」
「それは、ある一人の方の名前を、誤った字で、私が碧嶺さんに伝えてしまったと考えたからです」
蓮花は、正直に答えた。
「そうか。だから拒否されたのか」
どうやら、本当の名でしか受け付けないらしい風顕映書。
名喪人の記録は霜霞国の帳からも消えるはずなのにどこからその人の名が正しいか正しくないかを判別しているのか。ともかく碧嶺が喜んでいるからという理由で理由の追及はしなかった蓮花。
碧嶺は、蓮花に、感謝の気持ちを伝えるように、語りかける。
「これも全て、蓮花のおかげだ。澄遥が言っていたという『いつか名を取り戻す人が現れたときに島人たちの名を記しなさい』というものが、これほど早く実現するとは思っていなかった。本当に、良かった」
少し瞳を潤ませながら話す碧嶺に、蓮花は、少し胸が痛むような気がしたが、深く気に留めることはなかった。
「それで、蓮花はどうして僕の部屋に戻ってきていたんだい?」
「それは、ある一人の方の名前を、誤った字で、私が碧嶺さんに伝えてしまったと考えたからです」
蓮花は、正直に答えた。
「そうか。だから拒否されたのか」
どうやら、本当の名でしか受け付けないらしい風顕映書。
名喪人の記録は霜霞国の帳からも消えるはずなのにどこからその人の名が正しいか正しくないかを判別しているのか。ともかく碧嶺が喜んでいるからという理由で理由の追及はしなかった蓮花。



