しかし、蓮花は、後ろを追ってきていた碧嶺に、腕を掴まれた。
「蓮花、待ってくれ」
その声は、いつもよりも少しだけ、戸惑っているように聞こえた。
「あの、本当にすみませんでした」
謝ることしかできない蓮花は、頭を深々と下げ、詫びる。ノックを怠った自分の責任だと、顔を上げようとはしなかった。
「蓮花、見てしまったものは仕方がない。僕も隠すのならば、徹底しておかなければいけなかった。君は悪くない」
蓮花は、碧嶺の優しい言葉に、心が安堵した。しかし、申し訳なさすぎて、いたたまれない。
「そうだな。2人とも悪かったってことにしておこうか。お互いに非があったということで、これで終いにしよう」
碧嶺は、蓮花の顔を覗き込み、そう言った。
「うぅ、はい」
蓮花は、しぶしぶだが、その言葉に頷いた。
そんな蓮花を、碧嶺は再度自室へ招き入れた。
「先ほど、蓮花が見た僕の姿だけど、あれはとある儀式を行っていたからなんだ」
碧嶺は、蓮花の不安を和らげるように、穏やかな声で語り始めた。
「儀式を?」
「そう。風顕映書という、透明な帳を使っていたんだ。今は僕しか扱うことのできない帳。これは、名喪人となり、島人となったものたちを書き記す書物で、最初の島人であった澄遥と、先代が作り上げた。」
碧嶺は、懐かしむように、遠い目をして続けた。
「蓮花、待ってくれ」
その声は、いつもよりも少しだけ、戸惑っているように聞こえた。
「あの、本当にすみませんでした」
謝ることしかできない蓮花は、頭を深々と下げ、詫びる。ノックを怠った自分の責任だと、顔を上げようとはしなかった。
「蓮花、見てしまったものは仕方がない。僕も隠すのならば、徹底しておかなければいけなかった。君は悪くない」
蓮花は、碧嶺の優しい言葉に、心が安堵した。しかし、申し訳なさすぎて、いたたまれない。
「そうだな。2人とも悪かったってことにしておこうか。お互いに非があったということで、これで終いにしよう」
碧嶺は、蓮花の顔を覗き込み、そう言った。
「うぅ、はい」
蓮花は、しぶしぶだが、その言葉に頷いた。
そんな蓮花を、碧嶺は再度自室へ招き入れた。
「先ほど、蓮花が見た僕の姿だけど、あれはとある儀式を行っていたからなんだ」
碧嶺は、蓮花の不安を和らげるように、穏やかな声で語り始めた。
「儀式を?」
「そう。風顕映書という、透明な帳を使っていたんだ。今は僕しか扱うことのできない帳。これは、名喪人となり、島人となったものたちを書き記す書物で、最初の島人であった澄遥と、先代が作り上げた。」
碧嶺は、懐かしむように、遠い目をして続けた。



