名前を奪われた少女は、妖神と共に誓いを抱いて歩む。ー名喪ノ帳帖ー

「私が探せと言ったら、見つかるまで探し抜きなさい!お前たちは思い出せないのかもしれないけれど、もし処理できていなかった場合は、あなたたちの責任になるわけ!そんなことも理解できないの?!どうなるか分かってるんでしょうね!!」

桔梗の剣幕に耐えきれず、従者たちは、蓮花を探すため、すぐに行動を開始した。王と王妃に見つからないように、と桔梗に口酸っぱく言われた従者たち。

国内を時間をかけて調査することにした。
人々に問いかけてみるも当たり前のように名喪人となったものを記憶している人はいない。
従者たちも覚えていないのだから。
しかし、桔梗に言われていた門外を調べる行為は、いくら皇女が言ったからといって、そうそう簡単にできることではない。彼らは、蓮花が死んだと信じ、適当な報告をしようと考えていた。

桔梗は、自分の胸元に火傷痕のようなものができたことで、奴紋が解呪されたことを悟った。奴紋は、支配者側が相手の生死を操れるといっても、不慮の事故で死ぬことも少なくない。そのような場合、死体に奴紋は残り続けることはない。死んだあとは、その奴紋が跡形もなく消滅するのみ。

しかし、支配者以外の者が解呪した場合は、消滅するのではなく、呪をかけた本人に、代償として跳ね返ってくるのだ。