彼女は、戸惑いながらも、その蓮花の手を握り返す。その時、触れた指先から、手のひらから、彼女の温もりと、記憶が、蓮花の中に流れ込んできた。
目に涙をためながら、蓮花は、目の前の彼女に、抱きついた。
「凛音さんっ!」
やはり彼女は、霜霞国王家の元使用人として仕えていた、桂 凛音本人で間違いないようだった。しかし、凛音は、自分の名前とは思っていないからか、見知らぬ人に抱きつかれたからか、困ったように笑うだけだった。
「蓮花は、島人の中でも、唯一、自身の名を覚えていてね。今は、天閣で、その秘を解き明かそうとしているところなんだ。だから、このことを、決して口外してはいけないよ」
碧嶺が間に入ってくれ、簡潔に説明をしてくれる。それに、碧嶺のような端正な顔つきの男性に頼みなんてされて、守らない人がいるであろうか。
蓮花は、碧嶺が全て凛音に説明してくれたことに対し、心からありがたく感じていた。自分自身で話すとなると、上手くまとめることができずに長々説明する羽目になっていたはずである。そうすると、凛音に混乱を招いてしまっていたに違いない。
凛音も、碧嶺に詰められて、何度も何度も首を縦に振っていた。その様子は、まるで、碧嶺の言葉を、必ず守るという決心がみてとれる。凛音は、碧嶺と既に話終えていたのか、蓮花に深々と頭を下げ、その場を去っていった。
目に涙をためながら、蓮花は、目の前の彼女に、抱きついた。
「凛音さんっ!」
やはり彼女は、霜霞国王家の元使用人として仕えていた、桂 凛音本人で間違いないようだった。しかし、凛音は、自分の名前とは思っていないからか、見知らぬ人に抱きつかれたからか、困ったように笑うだけだった。
「蓮花は、島人の中でも、唯一、自身の名を覚えていてね。今は、天閣で、その秘を解き明かそうとしているところなんだ。だから、このことを、決して口外してはいけないよ」
碧嶺が間に入ってくれ、簡潔に説明をしてくれる。それに、碧嶺のような端正な顔つきの男性に頼みなんてされて、守らない人がいるであろうか。
蓮花は、碧嶺が全て凛音に説明してくれたことに対し、心からありがたく感じていた。自分自身で話すとなると、上手くまとめることができずに長々説明する羽目になっていたはずである。そうすると、凛音に混乱を招いてしまっていたに違いない。
凛音も、碧嶺に詰められて、何度も何度も首を縦に振っていた。その様子は、まるで、碧嶺の言葉を、必ず守るという決心がみてとれる。凛音は、碧嶺と既に話終えていたのか、蓮花に深々と頭を下げ、その場を去っていった。



