帳帖の表紙に手を当てた桔梗は、嫌な笑みを浮かべ、口を開いた。
「帳、汝の名を記さず」
その瞬間、どよめきが、まるで波のように帳殿全体に広がるのが、蓮花にも分かった。蓮花には、その意味が理解できなかった。しかし、そこにいる人々の反応が、これが決して良いことではないと、蓮花に伝えていた。
「どんな大罪を犯したんだ?」
「子供で帳に名が記されないことなんて、今まであったか?」
「あの年で名喪人なんてねぇ」
人々が口々に、蓮花を嘲笑う。その声は、蓮花に刺さり、心がひび割れていくようだった。
いたたまれない蓮花は、いつまでこの場にいればいいのか分からなくて、助けを求めるように、この場で唯一知っている桔梗に視線を送った。その助けてほしいという切なる願いを読み取ってくれたのか、桔梗は口を開いた。
「初めから名喪人だった理由を解明できるかは分かりませんが、その名喪人は王家で預かることにいたします」
その言葉に、周りの者たちは、蓮花を憐れむように、しかし、どこか期待するような目で見た。
「それは妙案だ!」
「原因究明をお願いいたします、皇女さま!」
「それでは、これにて閉帳いたします」
桔梗は、満足げに微笑む。
自分自身が手を加えるまでもなく、蓮花の名が帳帖に拒まれたからだった。
「帳、汝の名を記さず」
その瞬間、どよめきが、まるで波のように帳殿全体に広がるのが、蓮花にも分かった。蓮花には、その意味が理解できなかった。しかし、そこにいる人々の反応が、これが決して良いことではないと、蓮花に伝えていた。
「どんな大罪を犯したんだ?」
「子供で帳に名が記されないことなんて、今まであったか?」
「あの年で名喪人なんてねぇ」
人々が口々に、蓮花を嘲笑う。その声は、蓮花に刺さり、心がひび割れていくようだった。
いたたまれない蓮花は、いつまでこの場にいればいいのか分からなくて、助けを求めるように、この場で唯一知っている桔梗に視線を送った。その助けてほしいという切なる願いを読み取ってくれたのか、桔梗は口を開いた。
「初めから名喪人だった理由を解明できるかは分かりませんが、その名喪人は王家で預かることにいたします」
その言葉に、周りの者たちは、蓮花を憐れむように、しかし、どこか期待するような目で見た。
「それは妙案だ!」
「原因究明をお願いいたします、皇女さま!」
「それでは、これにて閉帳いたします」
桔梗は、満足げに微笑む。
自分自身が手を加えるまでもなく、蓮花の名が帳帖に拒まれたからだった。



