蓮花は、王城へ家族と来たときには、御者の隣へ座る機会がなかった。だから、これが初めての経験だ。車窓ではなく身体に受ける風を直に感じ、流れる景色を蓮花はずっと見つめていた。王城の厳格な雰囲気とは違う、街の賑やかさに、蓮花の心は躍った。
街に入ると、人々の往来があるからか、御者は馬車の速度を落とした。色鮮やかな着物を着た人々、威勢の良い掛け声、行き交う人々の笑顔。過ぎ去っていくあの人たちは、どんな人なんだろうか。どんな暮らしをしているのだろうか。蓮花は、様々な想像を膨らませながら、馬車の揺れに身を任せていた。
その時、急に馬車が止まり、蓮花は驚いて初めて前を見た。道の真ん中に、一人の男の子が、まるで馬車の行く手を阻むかのように、目一杯両手を広げ、立ちはだかっていた。
「おい、君!退けんかね!」
御者が声をかけるも、男の子は頑なに退こうとはしない。御者は、これ以上事を荒立てまいと、小窓から後ろの3人に声をかけた。
「皇女さま、申し訳ありません。少年が道を塞いでおりまして。対応してきますので、暫しお待ちください」
すると、中から皇女さまの冷たい声が聞こえてきた。
「いいわ、あなたはここにいなさい。行きましょう」
使用人2人を連れて、桔梗が馬車を降り、馬車を止める少年の元へと向かった。
桔梗は、少年に何かを言い、使用人が少年の腕を掴んだ。
街に入ると、人々の往来があるからか、御者は馬車の速度を落とした。色鮮やかな着物を着た人々、威勢の良い掛け声、行き交う人々の笑顔。過ぎ去っていくあの人たちは、どんな人なんだろうか。どんな暮らしをしているのだろうか。蓮花は、様々な想像を膨らませながら、馬車の揺れに身を任せていた。
その時、急に馬車が止まり、蓮花は驚いて初めて前を見た。道の真ん中に、一人の男の子が、まるで馬車の行く手を阻むかのように、目一杯両手を広げ、立ちはだかっていた。
「おい、君!退けんかね!」
御者が声をかけるも、男の子は頑なに退こうとはしない。御者は、これ以上事を荒立てまいと、小窓から後ろの3人に声をかけた。
「皇女さま、申し訳ありません。少年が道を塞いでおりまして。対応してきますので、暫しお待ちください」
すると、中から皇女さまの冷たい声が聞こえてきた。
「いいわ、あなたはここにいなさい。行きましょう」
使用人2人を連れて、桔梗が馬車を降り、馬車を止める少年の元へと向かった。
桔梗は、少年に何かを言い、使用人が少年の腕を掴んだ。



