しかし立ち止まっているだけでは誰かに見つけもらえるとも限らない。見つけてもらえることを信じて、蓮花は声をあげて歩き始めた。その声は、広大な庭に吸い込まれるように消えていく。それでも、蓮花は諦めなかった。何度か同じ呼びかけを繰り返していると、不意に、上から声が聞こえてきた。
「おーい、そこの子」
「……?」
見渡してみると、王城の庭に迷路のように作り出されている、綺麗に剪定された木々。その上に、蓮花より少し年上に見える男の子が、足を投げ出して座っていた。よほど丈夫な木々なのだろうか。その男の子が、まるでブランコでもこぐかのように、足をばたつかせていても、木々が揺れることはあっても、彼が落ちるようなことはなかった。
男の子が、自身の両脇に手をつき、木々からこちらへひょいと降りてきそうになったので、蓮花は驚いて思わず目をつむってしまった。次に目を開けたとき、男の子は、さっきまで座っていた木々の上に、ふわりと静かに立っていた。
「決して触れたり、話しかけたりしないこと。それが守れるなら、僕についておいで?」
その言葉は、優しく響いた。願ったり叶ったりだ。彼は物理的に高い場所にいるのだから、触れるという部分については気にしなくても良さそうだ。話しかけないという意味を込めて、蓮花は勢いよく首を縦に振った。
「おーい、そこの子」
「……?」
見渡してみると、王城の庭に迷路のように作り出されている、綺麗に剪定された木々。その上に、蓮花より少し年上に見える男の子が、足を投げ出して座っていた。よほど丈夫な木々なのだろうか。その男の子が、まるでブランコでもこぐかのように、足をばたつかせていても、木々が揺れることはあっても、彼が落ちるようなことはなかった。
男の子が、自身の両脇に手をつき、木々からこちらへひょいと降りてきそうになったので、蓮花は驚いて思わず目をつむってしまった。次に目を開けたとき、男の子は、さっきまで座っていた木々の上に、ふわりと静かに立っていた。
「決して触れたり、話しかけたりしないこと。それが守れるなら、僕についておいで?」
その言葉は、優しく響いた。願ったり叶ったりだ。彼は物理的に高い場所にいるのだから、触れるという部分については気にしなくても良さそうだ。話しかけないという意味を込めて、蓮花は勢いよく首を縦に振った。



