名前を奪われた少女は、妖神と共に誓いを抱いて歩む。ー名喪ノ帳帖ー

もし世話を放棄すれば、彼らは糞尿を垂れ流すだけの人形と成り果て、やがて脱水や栄養失調で餓死するだろう。しかし、その末路は、もう蓮花や人々には関係ないことだった。

人々の命を弄び、踏みにじってきた王族3名には、それがお似合いの末路だった。彼らを手にかけ、自身や妖神、人々の手を汚すまでもない。

生き延びたとしても二度と我々の前に姿を現すことはないだろう。一生償いきれない大罪を犯した彼らが、誰の助けもなしに生き延びることができるのかはわからない。

蓮花は、ただ一つの恩情を彼らに与えた。

「家族3人で同じ島に送ってあげる。」

桔梗に向ける蓮花の声は、静かでありながら、凍てつくように冷たかった。
しかし桔梗には届かない。
黛黯が深い眠りに堕ちる術を施したからだった。
ただ大人しく眠っているように見えても、夢の中と現の区別がついていない状態で悪夢をさまよっているのだとか。

「そして、あなたたちは身をもって他者の助けを一切借りられないまま、見捨てられた絶望を、屈辱と悲しみを、骨の髄まで思い知ればいい」


彼女の瞳に映るのは、かつて愛を求めても報われなかった桔梗の姿、そして虚しい過去の自分と、それに抗う現在の自身の姿が水面に反射しているだけだった。