その不思議な光景に驚きと同時に、久惔は呟いていた。
「癒炎の命還か」
「ゆえんのみき?」
「そうだ。朱雀の先代妖神から聞いた話になる。羽耀国の王族の慣習については話しただろう?5歳になると、朱羽の燈という加護を与えて、王族たちに幼子を返すんだ。その加護の使い道は、与えられた人次第。4国戦争以前には、主に癒しの力として使っていたそうだ。俺に代替わりしたときには、すでに癒しの力としての炎ではなくなっていて、しばらくすると、4国戦争が勃発した。そして、自国を護り、攻めてくる相手国を傷つけることに使っていた」
久惔が話している最中も、緑の面積は増えていく。そして、雲に戻れと言われ、雲覇さんの雲に乗り込む蓮花。広がりつつある緑をよそに、久惔は蓮花の乗る雲を背に乗せ、ある場所まで飛んで行った。
周囲が瓦礫と化した中で、そこだけが不自然なほど無傷だった。そこは、蓮花の育った家だった。家の中も、当時と全く変わらない姿を保っていた。
「この家は、幻衣に似た結界によって守られているから無事なんだ。いつも身につけている火晶石を出してみろ」
久惔に言われるがまま、蓮花はいつも首から提げていた火晶石を戸惑いながらも取り出そうとした。
揺れて王城の地下牢から脱するときにこけてしまった拍子に下げていた紐が切れ、縫袋に入れたことを思い出す。
「癒炎の命還か」
「ゆえんのみき?」
「そうだ。朱雀の先代妖神から聞いた話になる。羽耀国の王族の慣習については話しただろう?5歳になると、朱羽の燈という加護を与えて、王族たちに幼子を返すんだ。その加護の使い道は、与えられた人次第。4国戦争以前には、主に癒しの力として使っていたそうだ。俺に代替わりしたときには、すでに癒しの力としての炎ではなくなっていて、しばらくすると、4国戦争が勃発した。そして、自国を護り、攻めてくる相手国を傷つけることに使っていた」
久惔が話している最中も、緑の面積は増えていく。そして、雲に戻れと言われ、雲覇さんの雲に乗り込む蓮花。広がりつつある緑をよそに、久惔は蓮花の乗る雲を背に乗せ、ある場所まで飛んで行った。
周囲が瓦礫と化した中で、そこだけが不自然なほど無傷だった。そこは、蓮花の育った家だった。家の中も、当時と全く変わらない姿を保っていた。
「この家は、幻衣に似た結界によって守られているから無事なんだ。いつも身につけている火晶石を出してみろ」
久惔に言われるがまま、蓮花はいつも首から提げていた火晶石を戸惑いながらも取り出そうとした。
揺れて王城の地下牢から脱するときにこけてしまった拍子に下げていた紐が切れ、縫袋に入れたことを思い出す。



