蓮花は、自分が答え、正解する度に、桔梗の機嫌が悪くなっていったのを肌で感じ取っていた。しかし、母から習って覚えている内容を「わからない」で片付けるより、答えて正解することで自分自身の復習に繋がると思い、蓮花は答え続けた。その結果、一部に関してだが、追加の知識も増え、蓮花は知見を深めることを楽しんでいた。
桔梗はというと、勉強は楽しむものではなく苦痛なものだと思っていた。だけど皇女である以上義務だから仕方なくやっているだけ。なのに自身が答えられない内容を蓮花に投げると正解するせいで、苛立ちが増していくばかりだった。自室に籠っては、壁が厚いおかげで外には聞こえない、おぞましい罵詈雑言を吐きながら、花瓶や置物を投げ、なぎ倒した。その醜い怒りが、部屋の中に充満していることに、蓮花はまだ気づいていなかった。
師から両親へ、桔梗自身の出来の悪さが伝わり、蓮花の方が賢いと告げられたらどうなるか。その想像が、桔梗の胸に冷たい刃のように突き刺さった。考えただけで、全身の血が凍り付くような感覚に陥る。
両親は、見た目の美しさはもちろんのこと、学も舞も作法も、全てにおいて完璧に秀でていないと許さない人たちだ。そんな彼らが、自分たちの娘が、あの辺鄙な田舎から来た、娘──蓮花よりも出来が悪いと知れば……。
桔梗はというと、勉強は楽しむものではなく苦痛なものだと思っていた。だけど皇女である以上義務だから仕方なくやっているだけ。なのに自身が答えられない内容を蓮花に投げると正解するせいで、苛立ちが増していくばかりだった。自室に籠っては、壁が厚いおかげで外には聞こえない、おぞましい罵詈雑言を吐きながら、花瓶や置物を投げ、なぎ倒した。その醜い怒りが、部屋の中に充満していることに、蓮花はまだ気づいていなかった。
師から両親へ、桔梗自身の出来の悪さが伝わり、蓮花の方が賢いと告げられたらどうなるか。その想像が、桔梗の胸に冷たい刃のように突き刺さった。考えただけで、全身の血が凍り付くような感覚に陥る。
両親は、見た目の美しさはもちろんのこと、学も舞も作法も、全てにおいて完璧に秀でていないと許さない人たちだ。そんな彼らが、自分たちの娘が、あの辺鄙な田舎から来た、娘──蓮花よりも出来が悪いと知れば……。



