「人は妖神とは違う。警戒しているとはいえ、迂闊に近づいて命を危険に晒していいはずないだろう?!久惔からも言われていたはずだ!本当に理解していたのか?」
「理解はしてました。でも!!」
「でもは要らない!人の命は脆く儚い!!今回は良かったものの結果論だろう?!」
「結果論だとしても私は後悔してません。初めから私のような人には無理だと決めつけていたんですか?初めから。碧嶺さんにそう思われていたとは知りませんでした......」
2人の間に重苦しい空気が漂う。
蓮花は碧嶺が自身を心配からくる怒りだとわかってはいるものの止めることはできなかった。
そんな雰囲気を壊してくれたのは久惔だった。
「蓮花!舟に乗れるか?どうやら人々が自ら門から身を投げ出しているようだ!」
久惔の声は焦燥に満ちていた。
「碧嶺さん、もういいです・・・っ。期待なんてしなくていいです。でも、私は私のやれることを精一杯やり切りますから!それが、命を賭してやらないといけないことだとしても!」
蓮花は舟に乗った。その舟は門外にたどり着くと、大きく形を広げて大きな舶となった。
そして久惔の霊は限界だったのか、国民たちを包んでいた膜がはち切れた。



