宵の月、秘めたる契り―帝に愛された二人の女御―

「それでも朕は、綾子を側に置きたい。」

その声には、帝としての威厳ではなく、一人の男としての切実な想いが込められていた。

綾子は静かに帝の目を見つめ、ほんのわずかに微笑む。

「……では、私を抱いてください。」

言葉は穏やかでありながら、迷いはなかった。

帝はそっと綾子に手を伸ばし、その肩から打掛を滑らせた。衣擦れの音が静寂の中に微かに響く。

袴の紐を解く音がしたかと思えば、次の瞬間には白く透ける肌が露わになる。

慎ましくも艶やかなその姿に、帝は思わず息を飲んだ。

自らも衣を脱ぎ、余計な布を剥ぎ取り、ただ綾子と肌を重ねるために身を預ける。

「……惚れてる女を抱くのは、心が震えるな。」

そう囁く帝の声に、綾子の頬がほんのり紅に染まり、潤んだ瞳が帝を見つめた。

「……私もです。」

ふたりの身体が重なった瞬間、熱がこもり、静かに、しかし確かな欲が芽吹いていく。