======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 星野弾・・・かつての地球防衛軍ユニバース警備隊隊員、地球防衛組織ドナルド隊長。
 星野えいじ・・・弾の、双子の息子。GIT隊員。
 星野はじめ・・・弾の、双子の息子。
 星野マリア・・・弾の妻。
 坂本幸太・・・暫定臨時自治組織GIT首相。
 相田みずほ・・・GIT隊長。
 井下透・・・GIT隊員。
 畝山金蔵・・・GIT隊員。
 越後ひかる・・・GIT女性隊員。
 越智裕太・・・GIT隊員。
 美作あゆみ・・・GIT女性隊員。
 イーヨン・マスクマン・・・国連事務総長。

 ==================================

 2040年4月20日。地球。真鍮国雲海省。地下。GIT政府内に作られた、GITチームの基地。
 GIT政府は、強力なバリアで覆われていた。
 このバリアは、ウルカラセブンの星であるマイティスターの科学者ウルカラマンヒカリが開発した、強力なものだ。かつて、ウルカラセブンジュニア達が、多次元宇宙で修行していて発見した宇宙物質を元にしている。簡単には破れる訳がない。
 GITチームは、今日も訓練に勤しんでいた。怪獣は、『観察用』なのか、外の世界に現れる。GITチームは、都度どこからの依頼もなしに次元移動ホールを通って、襲われている地域を守りに行く。真鍮国軍は、形だけ出動する。核すら持っているのに、宇宙人や怪獣には勝てない。
 悔しいが、勝手に救援に来るGITや巨人頼みだ。

 軍人達は、政府の中枢そのものが乗っ取られていることを知らない。
 無論、国連事務総長もだ。
 だが、急ピッチの政府作りや防衛組織作りは、国連事務総長とA国のランプ大統領配下の軍のお陰だ。「たぬき」の坂本暫定首相の「人たらし」のお陰でもある。
 坂本は敢えて「現場にいたいから」と「陸将補」止まりの自衛官だった経歴がある。
 与党に補欠選挙で入党したが、閣僚になったことは一度も無かった。
 次の選挙までの「穴埋め議員」に徹した。
 このような事態になって、要職を望む者などいなかった。
 ランプに信頼の厚い、トーマス・マッカラムというE国系のA国人陸軍大将が推薦したのだ。
 望まれれば尻込みはしない。
 坂本は、短期間で組織を造り上げた。
 戦闘機は、真鍮国軍が怪獣に壊された部品を元に再構成がなされ、生まれ変わった。
 GITニードル1号機、2号機は、正に「リサイクル機」だった。
 開発中のGITオーガニ-カリッジは、隊員全員が乗れる母艦だ。
 オーガニ-カリッジとは、妙な名前だが、「ゆうき×ゆうき」という坂本の願いが込められている。
 「スクランブル、スクランブル!!旧コンコンエリアにヘムスターとウイングジョーが出現。真鍮国軍もスクランブル発進したが、歯が立たない。GITチーム出動せよ!GITチーム出動せよ!!」
 エーアイのアナウンスに導かれ、GITニードル1号機、2号機は発進した。
 次元移動ホールを通り抜けると、怪獣が都市部を破壊している。
 えいじは、ヘムスターを他の隊員に任せ、自らはウルカラセブンにジュニアに変身してウィングジョーに対峙した。
 額、肩、肘、手、膝から同時に光線を放ったウルカラセブンジュニア。
 GITニードル1号機、2号機はヘムスターの相手をしたが、爆風に苦戦した。
 ウルカラセブンジュニアは、バック宙を繰り返し、ヘムスターの中央部に光線を放った。
 一方、ニードル1号機、2号機はガリウム砲で液体金属を発射、ウィングジョーが動けなくなったところにナパーム弾を撃ち込み、倒した。
 数秒後、ウルカラセブンジュニアもニードル機も転送された。
 離れた空間で観察していたテンプラ星人は言った。
 「ドームに直接出入りする訳じゃないのか。シラス星人は『隙』がある筈だと言ったが、ワームホールより難しいぞ。」

 数時間後。星野家。
 「何コレ?ラーメン??食べられるの、母さん。」と、えいじが言い、「合成技術はSFに追いついたね。『自動生成器(automatic generator)』と言うらしい。ね、ジーニアスさん。」と、はじめは、横のウルカラジーニアスに言った。
 ウルカラジーニアスは、マイティスターの科学者だ。『宇宙転送装置』を開発し、危険を顧みず自らを地球に送り込んだ。
 そして、今回の侵略の「対抗準備」を進めていたのだ。
 「まだまだ、序の口だ。」弾の言葉は重かった。
 ―完―