珠天先生が言うには、福音教――ユリの動きがオカシイとのことだった。
それは気になることなので、先生の話に耳を傾けてみると……。
「昔、僕がユリさんに診察を頼まれた時、彼女は健康体だったんだよね。聖女だから病や怪我も自分で治せるだろうし、なのに何で僕を呼んだのかわからなかったんだけど……」
きっとただ単に珠天先生に会いたかっただけなんだろうなとは思ったけど、先生は気づいていないらしい。(ピアスやタトゥーを見せてほしいと服を脱がそうとしたみたいだけど)
それがつい最近、珠天先生がユリに会った時、彼女は別人みたいに清楚で礼儀正しくなっていたんだとか。
記憶違いなのかと先生は戸惑っているようだった。
どういうことなんだろう? キャラ変してきた?
首を傾げる私にサングレは嗤った。
「はあ~? あのユリが多少、大人しくなったところで変態なのは変りませんけど? それをまんまと騙されて、珠天先生って精神的に童貞ですかぁ~?」
こら! 下品なこと言うんじゃないの! と叱るとサングレは構われて嬉しそうにしていたけど、確かにユリが変なのは気になった。
だって、ユリがちゃんとしてくれないと、ガルーやサングレ、アリアの逆ハーレムハピエンが訪れないのだ。
というか、ユリがゲーム通りに聖女になってくれたなら私としては万々歳である。
(ユリは紅龍様に興味が無いから紅龍様を落とそうとはしないだろうし)
でも……。
ガルー達が全員、ユリと共に居るほうが幸せになれると思っていても、皆が巣立っていくのは寂しいなと思った。
少ししょんぼりしていると、サングレが立ち上がって肩に触れた。
顔を上げると、彼は昔のように無邪気な笑みを浮かべて話しかけてくる。
「……心配しないでください。俺はシスターの傍で生きるのが何よりの幸せですから。貴女を置いて何処かに行ったりなんてしませんよ」
サングレ……!(ジーン……)
って、いやいやいやいや! それじゃあゲーム的に良くないんだけど!
と思いつつ、サングレの優しい気遣いに私は思わず微笑む。
するとサングレが頬をぽっと赤くした。
まるで見惚れてるみたいな表情の後、我に返って怒りだす。
「ちょっと! 俺だから良いですけど、誰にでもそういう顔しないでくださいよ!」
「えっ」
「童貞だったら絶対に誤解しますからね! まぁ、誤解した奴は俺が殺しますけど!!」
物騒な照れギレをしだした!
ていうか童貞に恨みでもあるのかってくらいディスるわね!
とりあえず、珠天先生の違和感は覚えておこうと思った。
でもまさか、これが私最大の危機になるなんて、この時は思いもしなかったのだ。
それは気になることなので、先生の話に耳を傾けてみると……。
「昔、僕がユリさんに診察を頼まれた時、彼女は健康体だったんだよね。聖女だから病や怪我も自分で治せるだろうし、なのに何で僕を呼んだのかわからなかったんだけど……」
きっとただ単に珠天先生に会いたかっただけなんだろうなとは思ったけど、先生は気づいていないらしい。(ピアスやタトゥーを見せてほしいと服を脱がそうとしたみたいだけど)
それがつい最近、珠天先生がユリに会った時、彼女は別人みたいに清楚で礼儀正しくなっていたんだとか。
記憶違いなのかと先生は戸惑っているようだった。
どういうことなんだろう? キャラ変してきた?
首を傾げる私にサングレは嗤った。
「はあ~? あのユリが多少、大人しくなったところで変態なのは変りませんけど? それをまんまと騙されて、珠天先生って精神的に童貞ですかぁ~?」
こら! 下品なこと言うんじゃないの! と叱るとサングレは構われて嬉しそうにしていたけど、確かにユリが変なのは気になった。
だって、ユリがちゃんとしてくれないと、ガルーやサングレ、アリアの逆ハーレムハピエンが訪れないのだ。
というか、ユリがゲーム通りに聖女になってくれたなら私としては万々歳である。
(ユリは紅龍様に興味が無いから紅龍様を落とそうとはしないだろうし)
でも……。
ガルー達が全員、ユリと共に居るほうが幸せになれると思っていても、皆が巣立っていくのは寂しいなと思った。
少ししょんぼりしていると、サングレが立ち上がって肩に触れた。
顔を上げると、彼は昔のように無邪気な笑みを浮かべて話しかけてくる。
「……心配しないでください。俺はシスターの傍で生きるのが何よりの幸せですから。貴女を置いて何処かに行ったりなんてしませんよ」
サングレ……!(ジーン……)
って、いやいやいやいや! それじゃあゲーム的に良くないんだけど!
と思いつつ、サングレの優しい気遣いに私は思わず微笑む。
するとサングレが頬をぽっと赤くした。
まるで見惚れてるみたいな表情の後、我に返って怒りだす。
「ちょっと! 俺だから良いですけど、誰にでもそういう顔しないでくださいよ!」
「えっ」
「童貞だったら絶対に誤解しますからね! まぁ、誤解した奴は俺が殺しますけど!!」
物騒な照れギレをしだした!
ていうか童貞に恨みでもあるのかってくらいディスるわね!
とりあえず、珠天先生の違和感は覚えておこうと思った。
でもまさか、これが私最大の危機になるなんて、この時は思いもしなかったのだ。



