「美しい……」
ウルボラがうっとりとした顔で私を見つめて呟く。
そしてこちらの返事など待たない勢いで喋りだした。
「先ほど聖女ユリと守護騎士から、シスター・ディディが暴れていると聞きましたが……。まさかシスター・ディディがこんなにも絶世の美貌を誇るとは……!」
どうやらウルボラは私のことを知らなかったようだ。ていうか、顎を撫で回すの気持ち悪いから止めて欲しいんだが?
私がさりげなく距離をとるも、ウルボラはズイズイくる。手まで握ってきた。
「こんなにも美しければ、私のコレクションに相応しいというものです」
ぞくりと背筋が寒くなる。
そうしているとアリアと茨鬼君が飛び出してきた。
「シスター・ディディ!」
「ディディ様! 痴漢ですか? 殺しますね!」
しかしウルボラは二人を見ると、汚らわしいとでも言わんばかりにハンカチで鼻を塞いで手を振る。
「使徒・アリアと、マフィアの鉄砲玉の小僧ですか……! シスター・ディディはこんなにも美しいというのに……! 汝達のその反抗的な眼差し、美しくない! 美しい花に群がる害虫め! 醜い者は罪です! 処分といたしましょうか!」
ウルボラが指を鳴らす。
すると、町のあちこちから何十人もの守護騎士が現れたのだ。
しかしアリアも茨鬼君も動じていないどころか、騎士達に向かって走り出す。
「シスター・ディディを害する者は殺す!」
「はい! アリア先輩! いっぱいたくさん、殺しますね!」
茨鬼君が敵の群れの中に飛び込む。両手で着地すると同時に両足で円を描くように蹴り技をぶちかました。
それで吹っ飛んだ守護騎士。しかし後方から追加の騎士がまた……!
しかし追加騎士はアリアがショットガンで狙撃していった。
そんなアリアに守護騎士達が「怯むなー!」「奴の銃は六発しか撃てん! 七発目は自滅の悪魔の弾丸だ!」と剣を振りかぶって意気込んでいた。
確かにこの人数に茨鬼君だけではキツいかもしれない!
っていうか、七発目が私に飛んでくるんじゃなかったっけ!
しかしアリアは「問題ない」と告げるなり、銃口を自分の足の甲にあてて躊躇なく引き金を引く。
ぱぁん、と乾いた音が鳴り響いた。
「アリア!」
私が叫ぶも、アリアは足から噴き出す血飛沫を浴びながらも獰猛に笑っていた。
「……ディディは絶対に守る。貴様らを皆殺しにするまで、七発目は全て己に確実に当てる。ディディには絶対に当てない……ッ!」
その狂気的な姿に守護騎士は怯えにかられているようだったけど、茨鬼君だけは飛び跳ねて応援していた。
「わあ! アリア先輩! 流石です! でもディディ様はおれが助けますので、だいじょぶですよ!」
アリアがギロリと睨んでいる! こんな時に仲間割れしないでね!!
でもそうして二人が守護騎士に囲まれている間に、私はウルボラに腕を掴まれ、馬車に連れ込まれかけた!
しかし『乗ったらオワリ』と思い、両手足を踏んばって抵抗する。
「ギャー! 何すんのよ! 離しなさいよバカー! ヘンタイ!」
しかし騒ぐ私の首筋に手刀が当てられた。
不覚だけど、それで私は意識がブラックアウトしてしまったのだ。
ウルボラがうっとりとした顔で私を見つめて呟く。
そしてこちらの返事など待たない勢いで喋りだした。
「先ほど聖女ユリと守護騎士から、シスター・ディディが暴れていると聞きましたが……。まさかシスター・ディディがこんなにも絶世の美貌を誇るとは……!」
どうやらウルボラは私のことを知らなかったようだ。ていうか、顎を撫で回すの気持ち悪いから止めて欲しいんだが?
私がさりげなく距離をとるも、ウルボラはズイズイくる。手まで握ってきた。
「こんなにも美しければ、私のコレクションに相応しいというものです」
ぞくりと背筋が寒くなる。
そうしているとアリアと茨鬼君が飛び出してきた。
「シスター・ディディ!」
「ディディ様! 痴漢ですか? 殺しますね!」
しかしウルボラは二人を見ると、汚らわしいとでも言わんばかりにハンカチで鼻を塞いで手を振る。
「使徒・アリアと、マフィアの鉄砲玉の小僧ですか……! シスター・ディディはこんなにも美しいというのに……! 汝達のその反抗的な眼差し、美しくない! 美しい花に群がる害虫め! 醜い者は罪です! 処分といたしましょうか!」
ウルボラが指を鳴らす。
すると、町のあちこちから何十人もの守護騎士が現れたのだ。
しかしアリアも茨鬼君も動じていないどころか、騎士達に向かって走り出す。
「シスター・ディディを害する者は殺す!」
「はい! アリア先輩! いっぱいたくさん、殺しますね!」
茨鬼君が敵の群れの中に飛び込む。両手で着地すると同時に両足で円を描くように蹴り技をぶちかました。
それで吹っ飛んだ守護騎士。しかし後方から追加の騎士がまた……!
しかし追加騎士はアリアがショットガンで狙撃していった。
そんなアリアに守護騎士達が「怯むなー!」「奴の銃は六発しか撃てん! 七発目は自滅の悪魔の弾丸だ!」と剣を振りかぶって意気込んでいた。
確かにこの人数に茨鬼君だけではキツいかもしれない!
っていうか、七発目が私に飛んでくるんじゃなかったっけ!
しかしアリアは「問題ない」と告げるなり、銃口を自分の足の甲にあてて躊躇なく引き金を引く。
ぱぁん、と乾いた音が鳴り響いた。
「アリア!」
私が叫ぶも、アリアは足から噴き出す血飛沫を浴びながらも獰猛に笑っていた。
「……ディディは絶対に守る。貴様らを皆殺しにするまで、七発目は全て己に確実に当てる。ディディには絶対に当てない……ッ!」
その狂気的な姿に守護騎士は怯えにかられているようだったけど、茨鬼君だけは飛び跳ねて応援していた。
「わあ! アリア先輩! 流石です! でもディディ様はおれが助けますので、だいじょぶですよ!」
アリアがギロリと睨んでいる! こんな時に仲間割れしないでね!!
でもそうして二人が守護騎士に囲まれている間に、私はウルボラに腕を掴まれ、馬車に連れ込まれかけた!
しかし『乗ったらオワリ』と思い、両手足を踏んばって抵抗する。
「ギャー! 何すんのよ! 離しなさいよバカー! ヘンタイ!」
しかし騒ぐ私の首筋に手刀が当てられた。
不覚だけど、それで私は意識がブラックアウトしてしまったのだ。



