「初めまして! ディディ様! おれ、茨鬼って言います!」
姿を見せたのは、和装っぽい衣を着た少年だった。
黒髪でセンター分けのヘアスタイルに、頭の上の方にツノみたいな癖毛(?)がある。
大きな黒い瞳は好奇心旺盛な彼の性格を表しているようで可愛かった。
けど、異質なのは彼が全身、傷だらけで両腕に無数のお札が貼られ、黒ずんだテーピングでぐるぐる巻きにされている部分だった。
こんなキャラいたかな~?
そう思っていると、紅龍様がニヤリと笑いながら、茨鬼君の頭を煙管でコンコンと叩いた。
「懐かしいだロ? ワタシを殺そうとしたクソガキだヨ」
「え」
あのフードの男の背中にいた刺客の赤ちゃん!?
驚いていると茨鬼君は笑顔で大きく頷いた。
「はい! その節は大変、御迷惑をおかけしました!」
「お、大きくなったのねぇ……。立派になって……」
親戚のおばちゃんみたいなコメントで返していると、茨鬼君は笑顔のまま続けた。
「はい! あれからボスに死にたくなるような拷問を受け続けまして、自分がどれだけ愚かで生きてる価値のない塵芥なのか思い知りました!」
「ん?」
「今はそんなボスの元で、こんなおれでもお役に立てていることが嬉しいです! どうかディディ様も茨鬼と呼ばずに『塵』『芥』と、お好きにお呼びください!」
「え?」
「それでディディ様、誰を殺せばいいですか!? 遠慮なさらずに御命令してください! 誰でも殺してご覧にいれます!」
「ぶほ!!」
あまりの衝撃発言に噴きだしたけど、どういうことなの!?
刺客を拷問で調教して忠実な部下にしちゃったのはわかるけど、紅龍様も微笑を浮かべたまま、茨鬼君の頭を掴んで締め上げて……や、止めてあげてくださーい!!
しかし紅龍様は、こめかみに青筋を浮かべたまま、引き攣った笑顔だ。
「……ワタシのディディをこの世から消し飛ばそうとしたクソガキだヨ。本当なら、ワタシが知る限りの拷問でバラバラにしてやろうと思ったけど、それじゃあ気が済まねぇからナ。生きてる限り、尊厳破壊してやろうと思ったんだヨ」
尊厳破壊て! このギャグ話で聞きとうなかった単語や!
嗤ってるけど、紅龍様は本気だった。
ガルーらも『あ~ぁ、またかよ』みたいな顔で止めないし!
あまりにも後味悪いので、とりあえず止めた。
「いやいやいや! あの時、この子は赤ちゃんだったじゃないですか! 大人に利用されてた可哀相な子ですよ! なのに何でまた大人の都合で振り回してるんですか!」
しかし紅龍様は余計にキレちらかした。
「ハァ~? オマエ、このゴミカスの面体が少しばかりカワイイからって、またオマエのハーレムに入れるつもりじゃねーだろーナ!! この浮気者ガァァ!!!!」
紅龍様の右手がビッキビキに力が入って、茨鬼君の頭からミシミシと不吉な音が!!
カワイイ顔と思ってるならイジワルしないであげてくださいよ!
そんな紅龍様に私は断言した。
「安心してください! 私のトキメキ射程範囲は紅龍様だけですから!」
「嘘じゃねーだろーナ!?」
「心臓を捧げます!」ドンッ!←あのポーズで
「なら許ス!!」
茨鬼君がドシャッと地面に投げ捨てられたけど、彼は笑い顔のままだった。
紅龍様やガルーらが言うには『どれだけ殴られても泣くんじゃねぇ。テメェに涙を流す権利は無ぇ』『お前の価値は暗殺という汚れ仕事だけ』ということらしいけど、そんなマフィアの流儀をされても私、嬉しくないんですけど!?
茨鬼君はガルーやサングレにまで嫌われているし、アリアですら『好きにはなれない』と距離をとっている! アナタ達、大人になりなさいよ!
目覚めて早々、また変なことになってるけど、この子の酷い扱いも放っておけないし~~!! どうしたものか!!
姿を見せたのは、和装っぽい衣を着た少年だった。
黒髪でセンター分けのヘアスタイルに、頭の上の方にツノみたいな癖毛(?)がある。
大きな黒い瞳は好奇心旺盛な彼の性格を表しているようで可愛かった。
けど、異質なのは彼が全身、傷だらけで両腕に無数のお札が貼られ、黒ずんだテーピングでぐるぐる巻きにされている部分だった。
こんなキャラいたかな~?
そう思っていると、紅龍様がニヤリと笑いながら、茨鬼君の頭を煙管でコンコンと叩いた。
「懐かしいだロ? ワタシを殺そうとしたクソガキだヨ」
「え」
あのフードの男の背中にいた刺客の赤ちゃん!?
驚いていると茨鬼君は笑顔で大きく頷いた。
「はい! その節は大変、御迷惑をおかけしました!」
「お、大きくなったのねぇ……。立派になって……」
親戚のおばちゃんみたいなコメントで返していると、茨鬼君は笑顔のまま続けた。
「はい! あれからボスに死にたくなるような拷問を受け続けまして、自分がどれだけ愚かで生きてる価値のない塵芥なのか思い知りました!」
「ん?」
「今はそんなボスの元で、こんなおれでもお役に立てていることが嬉しいです! どうかディディ様も茨鬼と呼ばずに『塵』『芥』と、お好きにお呼びください!」
「え?」
「それでディディ様、誰を殺せばいいですか!? 遠慮なさらずに御命令してください! 誰でも殺してご覧にいれます!」
「ぶほ!!」
あまりの衝撃発言に噴きだしたけど、どういうことなの!?
刺客を拷問で調教して忠実な部下にしちゃったのはわかるけど、紅龍様も微笑を浮かべたまま、茨鬼君の頭を掴んで締め上げて……や、止めてあげてくださーい!!
しかし紅龍様は、こめかみに青筋を浮かべたまま、引き攣った笑顔だ。
「……ワタシのディディをこの世から消し飛ばそうとしたクソガキだヨ。本当なら、ワタシが知る限りの拷問でバラバラにしてやろうと思ったけど、それじゃあ気が済まねぇからナ。生きてる限り、尊厳破壊してやろうと思ったんだヨ」
尊厳破壊て! このギャグ話で聞きとうなかった単語や!
嗤ってるけど、紅龍様は本気だった。
ガルーらも『あ~ぁ、またかよ』みたいな顔で止めないし!
あまりにも後味悪いので、とりあえず止めた。
「いやいやいや! あの時、この子は赤ちゃんだったじゃないですか! 大人に利用されてた可哀相な子ですよ! なのに何でまた大人の都合で振り回してるんですか!」
しかし紅龍様は余計にキレちらかした。
「ハァ~? オマエ、このゴミカスの面体が少しばかりカワイイからって、またオマエのハーレムに入れるつもりじゃねーだろーナ!! この浮気者ガァァ!!!!」
紅龍様の右手がビッキビキに力が入って、茨鬼君の頭からミシミシと不吉な音が!!
カワイイ顔と思ってるならイジワルしないであげてくださいよ!
そんな紅龍様に私は断言した。
「安心してください! 私のトキメキ射程範囲は紅龍様だけですから!」
「嘘じゃねーだろーナ!?」
「心臓を捧げます!」ドンッ!←あのポーズで
「なら許ス!!」
茨鬼君がドシャッと地面に投げ捨てられたけど、彼は笑い顔のままだった。
紅龍様やガルーらが言うには『どれだけ殴られても泣くんじゃねぇ。テメェに涙を流す権利は無ぇ』『お前の価値は暗殺という汚れ仕事だけ』ということらしいけど、そんなマフィアの流儀をされても私、嬉しくないんですけど!?
茨鬼君はガルーやサングレにまで嫌われているし、アリアですら『好きにはなれない』と距離をとっている! アナタ達、大人になりなさいよ!
目覚めて早々、また変なことになってるけど、この子の酷い扱いも放っておけないし~~!! どうしたものか!!



