そうして私が目を覚ました時、真っ先に目に入ってきたのは、教会の天井だった。
それも何故か周囲に花が沢山詰まれてる。ガラスの棺みたいな中に居たし。
あれ~? どうして私、こんな所で寝てるんだろ?
「ていうか、寒っ! 毛布毛布!」
ヒョコッと起き上がる。
すると、カチャン! と妙な音がした。
何事かと見回すと、マフィアクターの立ち絵で見た大人ガルーが煙草を咥えたまま、片目を見開いて此方を見つめていた。
ガルーの足元にはライターが転がっており、それの音だったのだと気づく。
ガルーの隣にはサングレが上着を肩掛けして足を組んだ姿で座って震えていた。
少し離れた位置には、アリアが壁に背もたれして聖書を持っていたけど、それを落としている。
皆、ちびっこじゃなくなっていて、背も足も長いし、胸板は厚いし……って何処見てんの私!
「え? ちょっとちょっと皆!? なんで急にゲームの年齢になってるわけ!? 異能の所為?」
私が起き上がろうとする前に、全員が駆け寄ってきた。
「おい! 目が覚めたのか!?」
「シスター!」
「シスター・ディディ! 私がわかるか?」
……で、最初の争い(殺し合い)の流れになるわけなんだけど……。
それが落ち着いてから、皆の説明によると、私はあの紅龍様襲撃事件の時、ユリの異能(残り滓)のお陰で何とか消えずに済んだけど、それから20年、眠り続けていたらしい。
紅龍様は無事で、今も元気に仕事中なんだとか。良かった……!
思考が追いつけずにいる中、サングレが私の手に触れて、祈りでも捧げるように感涙していた。
「シスター……! 良かった! 貴女の目が覚める日を信じて、俺は……」
ゲームでは、こんなに穏やかなサングレの笑顔を見ることなんてなかったので驚いてしまった。
(紅龍様からユリを庇って死ぬ時のスチルで微笑んでるくらいだったから)
ゲームでは『気に入らない奴は秒で刺す狂犬』とまで言われていたのに、私の教育の賜物ねっ☆と喜んでいると、サングレはニッコリ顔のまま、懐から札束を出してきた。
「ちょうど良かった! さっきウチのシマに流れてきたヤクザ者を半殺しにしてカツアゲした金があるんです! これで夜景が綺麗なホテルでディナーにしませんか?」
ん?
サングレの台詞を反芻していると、アリアが無表情のまま近づいてきて、同じく札束を出してきた。
「シスター・ディディ、汚職聖職者に冤罪をかぶせて失脚させたから、奴らの財産も地位も手に入れた。貴女の望むものを何でも買い揃えてこよう」
んん?
「ちょ、ちょっと二人とも落ち着こうか?」
しかしサングレもアリアも飼い主を見つけた犬みたいにシッポを振って(幻覚)目をキラキラさせている。こ、断り辛いな!!
そんな二人の行動をガルーは咥えた煙管を上下させて見ていた。
あ、それは紅龍様が煙管を咥えて動かす癖と同じだ……と考えて、今も彼らが紅龍様と繋がりがあるのを察し、ちょっと泣きそうになってしまった。
しかしガルーは告げる。
「馬鹿か。この女にされたことを返してぇなら、思い出せよ」
え。
戸惑う私にガルーは、くっくっと笑った。
「しょっちゅう風呂にぶちこまれただろうが」
は?
それも何故か周囲に花が沢山詰まれてる。ガラスの棺みたいな中に居たし。
あれ~? どうして私、こんな所で寝てるんだろ?
「ていうか、寒っ! 毛布毛布!」
ヒョコッと起き上がる。
すると、カチャン! と妙な音がした。
何事かと見回すと、マフィアクターの立ち絵で見た大人ガルーが煙草を咥えたまま、片目を見開いて此方を見つめていた。
ガルーの足元にはライターが転がっており、それの音だったのだと気づく。
ガルーの隣にはサングレが上着を肩掛けして足を組んだ姿で座って震えていた。
少し離れた位置には、アリアが壁に背もたれして聖書を持っていたけど、それを落としている。
皆、ちびっこじゃなくなっていて、背も足も長いし、胸板は厚いし……って何処見てんの私!
「え? ちょっとちょっと皆!? なんで急にゲームの年齢になってるわけ!? 異能の所為?」
私が起き上がろうとする前に、全員が駆け寄ってきた。
「おい! 目が覚めたのか!?」
「シスター!」
「シスター・ディディ! 私がわかるか?」
……で、最初の争い(殺し合い)の流れになるわけなんだけど……。
それが落ち着いてから、皆の説明によると、私はあの紅龍様襲撃事件の時、ユリの異能(残り滓)のお陰で何とか消えずに済んだけど、それから20年、眠り続けていたらしい。
紅龍様は無事で、今も元気に仕事中なんだとか。良かった……!
思考が追いつけずにいる中、サングレが私の手に触れて、祈りでも捧げるように感涙していた。
「シスター……! 良かった! 貴女の目が覚める日を信じて、俺は……」
ゲームでは、こんなに穏やかなサングレの笑顔を見ることなんてなかったので驚いてしまった。
(紅龍様からユリを庇って死ぬ時のスチルで微笑んでるくらいだったから)
ゲームでは『気に入らない奴は秒で刺す狂犬』とまで言われていたのに、私の教育の賜物ねっ☆と喜んでいると、サングレはニッコリ顔のまま、懐から札束を出してきた。
「ちょうど良かった! さっきウチのシマに流れてきたヤクザ者を半殺しにしてカツアゲした金があるんです! これで夜景が綺麗なホテルでディナーにしませんか?」
ん?
サングレの台詞を反芻していると、アリアが無表情のまま近づいてきて、同じく札束を出してきた。
「シスター・ディディ、汚職聖職者に冤罪をかぶせて失脚させたから、奴らの財産も地位も手に入れた。貴女の望むものを何でも買い揃えてこよう」
んん?
「ちょ、ちょっと二人とも落ち着こうか?」
しかしサングレもアリアも飼い主を見つけた犬みたいにシッポを振って(幻覚)目をキラキラさせている。こ、断り辛いな!!
そんな二人の行動をガルーは咥えた煙管を上下させて見ていた。
あ、それは紅龍様が煙管を咥えて動かす癖と同じだ……と考えて、今も彼らが紅龍様と繋がりがあるのを察し、ちょっと泣きそうになってしまった。
しかしガルーは告げる。
「馬鹿か。この女にされたことを返してぇなら、思い出せよ」
え。
戸惑う私にガルーは、くっくっと笑った。
「しょっちゅう風呂にぶちこまれただろうが」
は?



