◆◆◆
ガルーの件が終わってから、ようやく私は『これでようやく殺されないかも~』という安堵を覚える日々になっていた。
というか、自分の命も大事だけど、ガルー達がどんな風に考えて生きているかについて深く知った今、彼らには幸せになって欲しいと心から思う。
と、思っているのに……。
私は教会の入り口でガルー、サングレ、アリアに服を引っ張られていた。
「おい、今日はオレにつきあえよ。いやとは言わせねえ」
「ダメだよガルーくん! シスターは、ぼくと遊ぶの!」
「きさまら、手をはなせ。かのじょは、わたしの妻だ」
何じゃこりゃああああぁぁぁぁぁぁぁあぁああ!! と頭を抱えたくなる事態に陥っていた。
何で!? あなた達の推しは聖女ユリでしょ!?(まだ出てきてないけど!)
あれだけ4Pやら3Pやら青姦やらしとったやろがい!
なんで私を攻略対象にしてるのよ! 女なら誰でもいいんか! ケダモノ(将来)どもが!
と言いたいのを堪えて振り回されていたので、シスター服は伸び伸びだ。
ようやく解放されたものの、そんなハロウィンモンスターみたいになった私の背に「なーにしてるんだヨ」と、聞き覚えのある声がかけられた。
「その声は――紅龍様ッッ♥」
私が目をハートにして振り返る。
すると、そこには眩い推しの姿が……!
あ~♥♥画面の向こうでしか見れなかった推しと会話出来て、ボディータッチまで出来ちゃうとか最高~~♥♥
なーんて私が惚れ惚れしていると、ちびっこどもが騒ぎ出した。
「ほかのおとこに目移りしてんじゃねえ」
「シスター・ディディ! あのおじさんより、ぼくのが若くてかわいいです!」
「おまえに、あんなふせいじつな男は、ふさわしくない」
あっ、好き勝手に言うんじゃないわよ! 殴られるわよ! あ! 殴られた!
フライパンを消火器で殴ったみたいな音が三つ続いた後、ガルー、サングレ、アリアが頭を押さえて悶え転がっている……。言わんこっちゃない……。
紅龍様は拳をバキバキ鳴らしつつ、笑顔で続けた。
「ワタシ、子供は大好きだけど、無礼者は大嫌いなんだヨー」
紅龍様は裏社会のボスなだけあって、礼儀を重んじる。無礼者は子供であろうと容赦しない。
大人げないとかではなく、そういう序列の中で生きているから、面子を潰されるのは恥なのだ。
そして――誰も信用していない。恐らく私のことも。
私は子供たちに拳法を教えている紅龍様の背中を見ながら反芻する。
と、いうのも当の紅龍様の過去ストーリーが『マフィアクター屈指の鬱グロ』と言われているくらいなのだ。
ガルーの件が終わってから、ようやく私は『これでようやく殺されないかも~』という安堵を覚える日々になっていた。
というか、自分の命も大事だけど、ガルー達がどんな風に考えて生きているかについて深く知った今、彼らには幸せになって欲しいと心から思う。
と、思っているのに……。
私は教会の入り口でガルー、サングレ、アリアに服を引っ張られていた。
「おい、今日はオレにつきあえよ。いやとは言わせねえ」
「ダメだよガルーくん! シスターは、ぼくと遊ぶの!」
「きさまら、手をはなせ。かのじょは、わたしの妻だ」
何じゃこりゃああああぁぁぁぁぁぁぁあぁああ!! と頭を抱えたくなる事態に陥っていた。
何で!? あなた達の推しは聖女ユリでしょ!?(まだ出てきてないけど!)
あれだけ4Pやら3Pやら青姦やらしとったやろがい!
なんで私を攻略対象にしてるのよ! 女なら誰でもいいんか! ケダモノ(将来)どもが!
と言いたいのを堪えて振り回されていたので、シスター服は伸び伸びだ。
ようやく解放されたものの、そんなハロウィンモンスターみたいになった私の背に「なーにしてるんだヨ」と、聞き覚えのある声がかけられた。
「その声は――紅龍様ッッ♥」
私が目をハートにして振り返る。
すると、そこには眩い推しの姿が……!
あ~♥♥画面の向こうでしか見れなかった推しと会話出来て、ボディータッチまで出来ちゃうとか最高~~♥♥
なーんて私が惚れ惚れしていると、ちびっこどもが騒ぎ出した。
「ほかのおとこに目移りしてんじゃねえ」
「シスター・ディディ! あのおじさんより、ぼくのが若くてかわいいです!」
「おまえに、あんなふせいじつな男は、ふさわしくない」
あっ、好き勝手に言うんじゃないわよ! 殴られるわよ! あ! 殴られた!
フライパンを消火器で殴ったみたいな音が三つ続いた後、ガルー、サングレ、アリアが頭を押さえて悶え転がっている……。言わんこっちゃない……。
紅龍様は拳をバキバキ鳴らしつつ、笑顔で続けた。
「ワタシ、子供は大好きだけど、無礼者は大嫌いなんだヨー」
紅龍様は裏社会のボスなだけあって、礼儀を重んじる。無礼者は子供であろうと容赦しない。
大人げないとかではなく、そういう序列の中で生きているから、面子を潰されるのは恥なのだ。
そして――誰も信用していない。恐らく私のことも。
私は子供たちに拳法を教えている紅龍様の背中を見ながら反芻する。
と、いうのも当の紅龍様の過去ストーリーが『マフィアクター屈指の鬱グロ』と言われているくらいなのだ。



