しかも、その写真の私は中学生だ。教室の窓際の席に座っている制服姿の私が、教室の中から撮られている。それだけでは何年生かまでは分からないけれど、多分顔つき的に1年生か2年生だろう。そして当然のことながら私はカメラを見ていない。
つまり、盗撮……! 身に覚えのない愛人の証拠は、まさかの蛍さんに盗撮されていた証拠だった。一体蛍さんはどういうつもりなんだ! それにしても、最近のみんなの中では写真を証拠にするのが流行っているのだろうか。それ自体は動かぬ証拠でいいと思うのだけれど、いかんせんみんなその写真からの推理が杜撰すぎる。つい、そんな偉そうなことを考えてしまった。
「……それで、その、この写真が一体……?」
「は? アンタ、高校に入るまで知らなかったって言ったよね? だったらなんで永人がアンタの中学の写真持ってるわけ?」
いやだから盗撮……! なんなら私が蛍さんを問い詰めたい、一体なぜ盗撮写真を持っているのか、そもそもなぜ盗撮なんてしたのか。ただ、蛍さんは南中だと言っていたから、東中にいた誰かに写真を撮ってもらったのだろう。蛍さんが私の盗撮写真を持っている理由も気にはなるけれど、その協力者も同じくらい気になるところだ。
「惚けても無駄、他にもあるし」
ピッピッピッと蛍さんの元カノがボタンを押せば、追加で3枚、同じような写真が出てきた。ただ、そのうちの1枚だけはカメラ目線だ。なんなら陽菜と一緒に映っている。
それが最後の1枚だったこともあって、ついじっと見つめて考え込んでしまった。文化祭の作業中にふと顔を上げた、そんな図で、私の隣にいる陽菜が先に気付いてピースをしている。そして写真にうつりこんでいる作業内容から考えれば、中学2年生のときだと分かる。
「ほらね、言い訳できないでしょ」
考え込んでしまっているのを分が悪くて黙り込んでいると勘違いされてしまった。でも、この際そんなことはどうでもいい。
「……この蛍さんの写真って蛍さんが撮ったものじゃなさそうですよね。誰が撮ったものなのか知ってます?」
「話逸らさないでくれる?」
中学2年生のときのクラスメイトで蛍さんと関係がありそうな人――考えて真っ先に浮かんだのは荒神くんだ。ただ、文化祭準備中は他のクラスの人の出入りも多く、クラスメイトで絞りをかけるのは早計かもしれない。でも私と陽菜の写真を撮る相手なんて限られている……。
いや、思い出せ、文化祭の準備中に不意打ちで私の写真を撮った人がいなかったか……。少なくともこの写真に関しては私はカメラ目線なんだ、写真を撮った人を見ていたはず。……でもさすがに3年前のこの場面で私の写真を撮った人なんて……。
「なに黙ってんの? 言い訳できなくなったら、今度は泣きでもすんの? いいよね、そうやったら永人か九十三が来てくれるもんね」
……だめだ、さすがに思い出せない。
でも逆に、思い出せないということは荒神くんの可能性を排除する気がする。荒神くんとは文化祭準備中に1回話したことがあるだけだ、そんな人に写真を撮られたらさすがに覚えているはず……。となると荒神くんではない、別の誰かが蛍さんに渡したとか……。何のために……。
「だからなんか言えって言ってるでしょ!」
完全に記憶を探ってばかりいたせいで、肩を突き飛ばされるまで蛍さんの元カノさんのことは意識からはじかれていた。お陰で蹈鞴を踏み――そのままドンッと背中が誰かにぶつかると同時に両肩を受け止められた。
つまり、盗撮……! 身に覚えのない愛人の証拠は、まさかの蛍さんに盗撮されていた証拠だった。一体蛍さんはどういうつもりなんだ! それにしても、最近のみんなの中では写真を証拠にするのが流行っているのだろうか。それ自体は動かぬ証拠でいいと思うのだけれど、いかんせんみんなその写真からの推理が杜撰すぎる。つい、そんな偉そうなことを考えてしまった。
「……それで、その、この写真が一体……?」
「は? アンタ、高校に入るまで知らなかったって言ったよね? だったらなんで永人がアンタの中学の写真持ってるわけ?」
いやだから盗撮……! なんなら私が蛍さんを問い詰めたい、一体なぜ盗撮写真を持っているのか、そもそもなぜ盗撮なんてしたのか。ただ、蛍さんは南中だと言っていたから、東中にいた誰かに写真を撮ってもらったのだろう。蛍さんが私の盗撮写真を持っている理由も気にはなるけれど、その協力者も同じくらい気になるところだ。
「惚けても無駄、他にもあるし」
ピッピッピッと蛍さんの元カノがボタンを押せば、追加で3枚、同じような写真が出てきた。ただ、そのうちの1枚だけはカメラ目線だ。なんなら陽菜と一緒に映っている。
それが最後の1枚だったこともあって、ついじっと見つめて考え込んでしまった。文化祭の作業中にふと顔を上げた、そんな図で、私の隣にいる陽菜が先に気付いてピースをしている。そして写真にうつりこんでいる作業内容から考えれば、中学2年生のときだと分かる。
「ほらね、言い訳できないでしょ」
考え込んでしまっているのを分が悪くて黙り込んでいると勘違いされてしまった。でも、この際そんなことはどうでもいい。
「……この蛍さんの写真って蛍さんが撮ったものじゃなさそうですよね。誰が撮ったものなのか知ってます?」
「話逸らさないでくれる?」
中学2年生のときのクラスメイトで蛍さんと関係がありそうな人――考えて真っ先に浮かんだのは荒神くんだ。ただ、文化祭準備中は他のクラスの人の出入りも多く、クラスメイトで絞りをかけるのは早計かもしれない。でも私と陽菜の写真を撮る相手なんて限られている……。
いや、思い出せ、文化祭の準備中に不意打ちで私の写真を撮った人がいなかったか……。少なくともこの写真に関しては私はカメラ目線なんだ、写真を撮った人を見ていたはず。……でもさすがに3年前のこの場面で私の写真を撮った人なんて……。
「なに黙ってんの? 言い訳できなくなったら、今度は泣きでもすんの? いいよね、そうやったら永人か九十三が来てくれるもんね」
……だめだ、さすがに思い出せない。
でも逆に、思い出せないということは荒神くんの可能性を排除する気がする。荒神くんとは文化祭準備中に1回話したことがあるだけだ、そんな人に写真を撮られたらさすがに覚えているはず……。となると荒神くんではない、別の誰かが蛍さんに渡したとか……。何のために……。
「だからなんか言えって言ってるでしょ!」
完全に記憶を探ってばかりいたせいで、肩を突き飛ばされるまで蛍さんの元カノさんのことは意識からはじかれていた。お陰で蹈鞴を踏み――そのままドンッと背中が誰かにぶつかると同時に両肩を受け止められた。



