「おごってくれんの?」
「5人は無理だわ。受験生のバイトシフトなめんな」
1人多いなと思ったら駿くんがカウントされているのだろう。やっぱり九十三先輩は優しい。
そうこうしているうちに常磐先輩がやってきて九十三先輩と代わり「次、桜井だから早く食って戻って来い」と命じられた。
「私って荷物番に入ってます? 入れてもらって大丈夫ですけど」
「女の子1人が荷物番してもナンパされるだけで意味ないじゃん? 三国ちゃん結構バカだよね」
気を遣って申し出たつもりが、九十三先輩に一蹴されたどころか罵倒された。しかもよりによって(と言うのは失礼かもしれないけど)パンツの話しかしない九十三先輩にバカ呼ばわりされるなんて……。ガーン、とショックを受けたまま固まってしまった。
「で、でも、荷物番って置き引きを警戒しているわけですから、見張るのが男子でも女子でも関係はないのでは」
「荷物と女子がいたら置き引き以外にも警戒することあるだろ。んでもって三国がナンパされたらどうなるか、来たときに分かったろ。下手しローテに三国入れるより人数要る」
……雲雀くんに論破されて黙った。確かに私はバカだった。しかもまたよりによって九十三先輩にポンポン、と慰めるように肩を叩かれて余計に反省した。
「分かったら飯。腹減って死ぬ」
「……せめて誰かが荷物番をするときに私も一緒にするとか……」
「そんなに荷物番やりたい?」
「英凜的には自分だけ荷物番しないのが気になるんでしょ? 先輩達にさせてるから」胡桃の指摘はまさしく的のど真ん中を射ていて「侑生と昴夜がやるときに一緒にすればいいんじゃない。この流れだと、あたしも荷物番ないし」
……それもそうだ。2人で荷物番をするのは非合理的だけれど、それはさておき私の中で申し訳なさを減退させる名案だ。
「じゃ、私は雲雀くんの荷物番に付き合うよ」
雲雀くんと胡桃は折り合いが悪い、それを考えるとその組み合わせはごく自然な消去法だった。ぱちりと雲雀くんと目が合う横で「じゃー、あたしは昴夜ね」と胡桃も頷く。
「え、それ俺がやってるときに提案してよ。マジ1人で暇だったつーか胡桃ちゃんが一緒にいるって何のご褒美タイム? え?」
本来罰ゲームに近い荷物番が一瞬でご褒美タイムに変わる……もしかしたらみんなこぞって桜井くんと交代してくれるかもしれない。胡桃が先輩達とどのくらい話が弾むのかは別として、桜井くんも荷物番をするよりは遊びたいだろうし、それ自体はきっとウィンウィンだ。
ただ一人異論を唱える九十三先輩を、駿くんが怪訝な顔で見上げる。
「……つくみセンパイは隣に女子がいればいいのか」
「女子ならいいわけじゃないんだな。可愛い子がいいんだな」
「駿くんに変なこと教えないでください。駿くんお昼食べるよね?」
「食べる」
5人で連れだって海の家が密集しているところへ行き、私と桜井くんと胡桃、九十三先輩と駿くんと雲雀くんがそれぞれ別々の海の家に別れて並んだ。
「英凜の従弟、ツクミン先輩に懐いてんな」
「駿くんは自分が食べたいメニューがあるほうに並んだだけ。私がいるからこっちに並ぼうとか、そういう発想は駿くんにない」
「へーっ、なんか英凜の従弟っぽい。我が道を行くみたいな」
胡桃が私の言動をそう評するのは2回目だ。そんなにみんなと違う道を歩いているだろうか、はて、と首を傾げる。
「でもツクミン先輩に懐いてんのはそうなんじゃね、嫌いならさすがに一緒にいないだろうし」
「5人は無理だわ。受験生のバイトシフトなめんな」
1人多いなと思ったら駿くんがカウントされているのだろう。やっぱり九十三先輩は優しい。
そうこうしているうちに常磐先輩がやってきて九十三先輩と代わり「次、桜井だから早く食って戻って来い」と命じられた。
「私って荷物番に入ってます? 入れてもらって大丈夫ですけど」
「女の子1人が荷物番してもナンパされるだけで意味ないじゃん? 三国ちゃん結構バカだよね」
気を遣って申し出たつもりが、九十三先輩に一蹴されたどころか罵倒された。しかもよりによって(と言うのは失礼かもしれないけど)パンツの話しかしない九十三先輩にバカ呼ばわりされるなんて……。ガーン、とショックを受けたまま固まってしまった。
「で、でも、荷物番って置き引きを警戒しているわけですから、見張るのが男子でも女子でも関係はないのでは」
「荷物と女子がいたら置き引き以外にも警戒することあるだろ。んでもって三国がナンパされたらどうなるか、来たときに分かったろ。下手しローテに三国入れるより人数要る」
……雲雀くんに論破されて黙った。確かに私はバカだった。しかもまたよりによって九十三先輩にポンポン、と慰めるように肩を叩かれて余計に反省した。
「分かったら飯。腹減って死ぬ」
「……せめて誰かが荷物番をするときに私も一緒にするとか……」
「そんなに荷物番やりたい?」
「英凜的には自分だけ荷物番しないのが気になるんでしょ? 先輩達にさせてるから」胡桃の指摘はまさしく的のど真ん中を射ていて「侑生と昴夜がやるときに一緒にすればいいんじゃない。この流れだと、あたしも荷物番ないし」
……それもそうだ。2人で荷物番をするのは非合理的だけれど、それはさておき私の中で申し訳なさを減退させる名案だ。
「じゃ、私は雲雀くんの荷物番に付き合うよ」
雲雀くんと胡桃は折り合いが悪い、それを考えるとその組み合わせはごく自然な消去法だった。ぱちりと雲雀くんと目が合う横で「じゃー、あたしは昴夜ね」と胡桃も頷く。
「え、それ俺がやってるときに提案してよ。マジ1人で暇だったつーか胡桃ちゃんが一緒にいるって何のご褒美タイム? え?」
本来罰ゲームに近い荷物番が一瞬でご褒美タイムに変わる……もしかしたらみんなこぞって桜井くんと交代してくれるかもしれない。胡桃が先輩達とどのくらい話が弾むのかは別として、桜井くんも荷物番をするよりは遊びたいだろうし、それ自体はきっとウィンウィンだ。
ただ一人異論を唱える九十三先輩を、駿くんが怪訝な顔で見上げる。
「……つくみセンパイは隣に女子がいればいいのか」
「女子ならいいわけじゃないんだな。可愛い子がいいんだな」
「駿くんに変なこと教えないでください。駿くんお昼食べるよね?」
「食べる」
5人で連れだって海の家が密集しているところへ行き、私と桜井くんと胡桃、九十三先輩と駿くんと雲雀くんがそれぞれ別々の海の家に別れて並んだ。
「英凜の従弟、ツクミン先輩に懐いてんな」
「駿くんは自分が食べたいメニューがあるほうに並んだだけ。私がいるからこっちに並ぼうとか、そういう発想は駿くんにない」
「へーっ、なんか英凜の従弟っぽい。我が道を行くみたいな」
胡桃が私の言動をそう評するのは2回目だ。そんなにみんなと違う道を歩いているだろうか、はて、と首を傾げる。
「でもツクミン先輩に懐いてんのはそうなんじゃね、嫌いならさすがに一緒にいないだろうし」



