数日後、清隆は芙蓉を再び屋敷に招き書斎で二人きりの時間を過ごした。
 部屋には松の香が漂い、窓から差し込む月光が琴を照らした。清隆は芙蓉に小さな琴を贈り、言った。


「この琴で、君の心を私に聞かせてくれ」


 芙蓉は琴を手に、震える声で曲を奏でた。
 音は、彼女の葛藤と愛を織り交ぜ、静かに響いた。曲が終わると芙蓉は勇気を振り絞り、告白する。


「清隆様、私は遊女の身で、穢れた過去を持つ女です。それでも、あなたをお慕いしております。私を、受け入れてくれますか?」


 清隆は彼女を抱きしめ、頷くと答えた。


「芙蓉、君は花巫女だ。神々の声を伝える純粋な魂だ。私は君を愛している。どんな過去も、君の輝きを曇らせはしない」


 芙蓉は涙を流し、彼の胸で微笑んだ。花紋が強く光り、彼女の使命と愛が一つになった。