その言葉に、芙蓉の心の壁が崩れ始めた。彼女は清隆の胸に寄りかかり、初めて自分の心を解放した。


「清隆様、私…あなたを愛してる。でも、怖いんです。こんな幸せ、いつか消えるんじゃないかって」


 清隆は彼女を抱きしめ、囁いた。


「君がそばにいる限り、幸せは消えない。約束する」


 芙蓉の花紋が、月光に照らされて淡く光った。