そんな思いを募らせていたある夜、清隆は芙蓉を庭に連れ出して月光の下で言った。
「芙蓉、君の音は私の心を癒す。君の笑顔は、私の暗い日々を照らす。遊女だろうと、蕭条村の娘だろうと、私には関係ない。君を愛している」
芙蓉は涙を流し、とても嬉しかった。だけど震える声で答える。
「清隆様、私も…あなたを愛してる。でも、遊女の私が、あなたを汚してしまう。こんな幸せ、許されない」
清隆は彼女を抱きしめる。
「君は花巫女だ。神々の声を伝える者だ。穢れなどない。私のそばで、自由に音を奏でてくれ」
芙蓉は彼の胸で泣き、花紋が淡く光った。彼女の葛藤は、清隆の愛に少しずつ溶け始めた。



