そびえ立つ十階建ての賃貸マンション。エレベーターはその八階に到達したことを知らせた。エレベーターを降りて三つ目の扉。部屋番号を見やり足を止めると、真澄はインターホンへ指を伸ばした。来訪を知らせる呼び鈴の音が響く。応答を待つと受話口から「は、はい」と控えめな声が返って来た。
「来たよー」
だが、しばらく経っても玄関が開く気配がない。何をしているのだろうか。もう一度インターホンを押そうとした時、ようやく玄関ドアが開いた。やっとか、そう思った瞬間、真澄は驚きのあまりギョッと目を見開いた。
何故かボサボサの髪。何故か頭に乗っている靴下に、何故か濡れた跡が広がっている服。どうしてそうなったのか、片足にはコード線が巻き付いている。まるで、いたずらでもされたのかと言いたくなるような、ボロボロの姿の遼が笑って姿を現した。
「い、いらっしゃい」
彼の頭に乗っていた靴下が、ぽとりと足元に落っこちた。
「来たよー」
だが、しばらく経っても玄関が開く気配がない。何をしているのだろうか。もう一度インターホンを押そうとした時、ようやく玄関ドアが開いた。やっとか、そう思った瞬間、真澄は驚きのあまりギョッと目を見開いた。
何故かボサボサの髪。何故か頭に乗っている靴下に、何故か濡れた跡が広がっている服。どうしてそうなったのか、片足にはコード線が巻き付いている。まるで、いたずらでもされたのかと言いたくなるような、ボロボロの姿の遼が笑って姿を現した。
「い、いらっしゃい」
彼の頭に乗っていた靴下が、ぽとりと足元に落っこちた。
