「お、いたいた!お~い、幸華!!」
倫太郎は幸華に気付けば史文を連れて近づいてくる。
「え、幸華さん?幸舞じゃなくて⁇」
生徒達も困惑する中、倫太郎は色気の笑みを浮かべて周りを牽制すれば周りはたちまち倫太郎の虜だ。
「幸華、迎えに来た」
史文はそんな中、幸華一直線に歩み寄る。
「え、迎え?私を?」
「ああ、車に乗って」
冷静な顔で幸華を呼ぶと幸舞が前に割って入る。
「まあ史文様!私に会いに来て下さったの?嬉しい!!」
幸華を推し退けて前に出る幸舞は恥ずかしそうに史文を見た。それもその筈、この男、流石は四神・青龍家のご子息。妖の更に上をいく上位の存在であることが容姿と気配で物語っているせいか、無自覚に人間や妖の生徒を虜にしてしまっていた。
「いや、今日は幸華に用があって来た」
「は?え?幸華に?私ではなく?」
「ああ、この前の誕生日、何もしてやれなかったからな」
史文はそう言うと困惑する幸舞に目も向けず幸華の腕を掴む。
「あ、ちょ、史文様⁇お待ち下さい!」
納得いかない顔で慌てて史文様の袖を掴む幸舞。
その手に持つバッグの正体に、史文は一瞬目を見開くも直ぐに元の顔に戻る。
「すまないが道を開けてくれ。懇親会には同伴するから」
「あ、」
史文が幸華を車に乗せれば倫太郎はサラッと笑顔でウインクして助手席に乗り込む。それを合図に車は発進すれば正門から出て行ってしまうので辺りにはいつもの空気が流れた。
「幸舞、一体あれはどうゆうこと?」
取り巻きの一人が幸舞の顔を覗き込めば、そこに映る幸舞の顔にギョっとした。幸舞は正門の方を見つめ、変な空気が流れるので彼女達も冷や汗を流していた。
「…皆さん、ご心配には及びませんわ。先程も言いましたでしょ?史文様は幸華の誕生日を忘れていたことを気にかけているのです。非礼を詫びようとしているのですわ」
「非礼?」
「ええ(笑)。実は前々からお願いしていたんです!私にとっては可愛い妹、ぜひ幸華と仲良くして頂きたいと。例え不義の子であろうと私にとっては大切な家族ですから。私なら何をされても構いません」
悲しそうな笑顔で語る幸舞。
それには彼女達も酷く同情した。
「まあ幸舞…なんて優しいの!そうよね、青龍様が幸舞を見放すだなんてありえないわ」
「そうよ!幸舞は愛されて当然なんだから。これからは幸華さんに何かされたら直ぐ言ってね?」
「ふふ、ありがとう」
慰める彼女達に幸舞は嬉しそうに微笑む。
だが握るバッグの手には力を込め、心は黒い嫉妬と妬みのオーラで埋め尽くされていた。
倫太郎は幸華に気付けば史文を連れて近づいてくる。
「え、幸華さん?幸舞じゃなくて⁇」
生徒達も困惑する中、倫太郎は色気の笑みを浮かべて周りを牽制すれば周りはたちまち倫太郎の虜だ。
「幸華、迎えに来た」
史文はそんな中、幸華一直線に歩み寄る。
「え、迎え?私を?」
「ああ、車に乗って」
冷静な顔で幸華を呼ぶと幸舞が前に割って入る。
「まあ史文様!私に会いに来て下さったの?嬉しい!!」
幸華を推し退けて前に出る幸舞は恥ずかしそうに史文を見た。それもその筈、この男、流石は四神・青龍家のご子息。妖の更に上をいく上位の存在であることが容姿と気配で物語っているせいか、無自覚に人間や妖の生徒を虜にしてしまっていた。
「いや、今日は幸華に用があって来た」
「は?え?幸華に?私ではなく?」
「ああ、この前の誕生日、何もしてやれなかったからな」
史文はそう言うと困惑する幸舞に目も向けず幸華の腕を掴む。
「あ、ちょ、史文様⁇お待ち下さい!」
納得いかない顔で慌てて史文様の袖を掴む幸舞。
その手に持つバッグの正体に、史文は一瞬目を見開くも直ぐに元の顔に戻る。
「すまないが道を開けてくれ。懇親会には同伴するから」
「あ、」
史文が幸華を車に乗せれば倫太郎はサラッと笑顔でウインクして助手席に乗り込む。それを合図に車は発進すれば正門から出て行ってしまうので辺りにはいつもの空気が流れた。
「幸舞、一体あれはどうゆうこと?」
取り巻きの一人が幸舞の顔を覗き込めば、そこに映る幸舞の顔にギョっとした。幸舞は正門の方を見つめ、変な空気が流れるので彼女達も冷や汗を流していた。
「…皆さん、ご心配には及びませんわ。先程も言いましたでしょ?史文様は幸華の誕生日を忘れていたことを気にかけているのです。非礼を詫びようとしているのですわ」
「非礼?」
「ええ(笑)。実は前々からお願いしていたんです!私にとっては可愛い妹、ぜひ幸華と仲良くして頂きたいと。例え不義の子であろうと私にとっては大切な家族ですから。私なら何をされても構いません」
悲しそうな笑顔で語る幸舞。
それには彼女達も酷く同情した。
「まあ幸舞…なんて優しいの!そうよね、青龍様が幸舞を見放すだなんてありえないわ」
「そうよ!幸舞は愛されて当然なんだから。これからは幸華さんに何かされたら直ぐ言ってね?」
「ふふ、ありがとう」
慰める彼女達に幸舞は嬉しそうに微笑む。
だが握るバッグの手には力を込め、心は黒い嫉妬と妬みのオーラで埋め尽くされていた。



