謹慎処分。
それが幸舞に活せられた処罰だ。
「ふざけないで!なんで私が謹慎なの⁈」
部屋では激昂した幸舞が怒り狂っていた。
旧館の火災事件に高校での幸華襲撃事件。
これらの真相は意識を取り戻した火鼠が口を割ったことにより、犯人は幸舞であると判明した。使われた呪符は全て没収され、援助金も切れてしまったのだ。
「幸舞、気をしっかり」
「お母さん!お願い、私を助けて!!」
部屋に入ってきた千鶴は荒れ果てた状況に目をやれば、幸舞は泣きながら抱きついてくる。
「あ~ん!私は何も酷いことしてないのに、皆が私を悪者扱いするの!!私は稀血の花嫁なのに。愛されて当然なのに。白蛇達すら私を目の敵にしてくる!」
「あらあら、なんて可哀想な子…」
「皆して幸華の味方するの。私の史文様すら奪われちゃった。愛してくれない、誰も私を愛してくれない!!」
「そんなことないわ。母さんは貴方を愛してるわよ」
千鶴は泣き叫ぶ幸舞を慰める。
不義の子如きが稀血の花嫁を差し置いて幸せに?そんなこと絶対に許さない。あの子だけは幸せになってはいけない。そう思えば幸舞は憎悪で頭がいっぱいになる。
「…ねえ幸舞、貴方は稀血の花嫁なの。愛されて当然な存在なのよ。それを不義の子相手に負ける訳にはいかないのよ…」
「でもお母さん、史文様は幸華を青龍家で守ってるみたいなの。どうして?どうして幸華が史文様に守られなきゃなんないの?史文様は私の許婚なのに。お兄様すら幸華を優先するの」
「大丈夫よ!幸舞にこれをあげる」
そう千鶴が差し出したのは小さな小瓶だった。
「これは稀血の香水よ」
「香水?」
「ええ、一拭き体に振りかけるだけで妖は虜になる。勿論、神も例外ではないわ。これさえ使えば貴方は稀血の花嫁として認められるわ」
「本当?史文様も虜にできる?」
「勿論よ!香水には貴方の稀血が含まれてる。妖だろうが神だろうが所詮は稀血の誘惑に勝てっこないわ。これを使ってもう一度、貴方の力を青龍家に認めて貰うのよ。史文様を手に入れて。幸舞は愛される為に生まれてきたんだから!!」
愛される為に。
…そうよ、私は愛される為に生まれてきたの。
欲しい物は何だって手に入れてきた。
「近々、青龍家で生誕パーティーがあるわ。そこを狙うのよ」
「パーティー…史文様に会えるのね!!」
不義の子なんかの幸華に奪われてたまるものか。
幸舞は小瓶を握ればニヤリと笑った。
それが幸舞に活せられた処罰だ。
「ふざけないで!なんで私が謹慎なの⁈」
部屋では激昂した幸舞が怒り狂っていた。
旧館の火災事件に高校での幸華襲撃事件。
これらの真相は意識を取り戻した火鼠が口を割ったことにより、犯人は幸舞であると判明した。使われた呪符は全て没収され、援助金も切れてしまったのだ。
「幸舞、気をしっかり」
「お母さん!お願い、私を助けて!!」
部屋に入ってきた千鶴は荒れ果てた状況に目をやれば、幸舞は泣きながら抱きついてくる。
「あ~ん!私は何も酷いことしてないのに、皆が私を悪者扱いするの!!私は稀血の花嫁なのに。愛されて当然なのに。白蛇達すら私を目の敵にしてくる!」
「あらあら、なんて可哀想な子…」
「皆して幸華の味方するの。私の史文様すら奪われちゃった。愛してくれない、誰も私を愛してくれない!!」
「そんなことないわ。母さんは貴方を愛してるわよ」
千鶴は泣き叫ぶ幸舞を慰める。
不義の子如きが稀血の花嫁を差し置いて幸せに?そんなこと絶対に許さない。あの子だけは幸せになってはいけない。そう思えば幸舞は憎悪で頭がいっぱいになる。
「…ねえ幸舞、貴方は稀血の花嫁なの。愛されて当然な存在なのよ。それを不義の子相手に負ける訳にはいかないのよ…」
「でもお母さん、史文様は幸華を青龍家で守ってるみたいなの。どうして?どうして幸華が史文様に守られなきゃなんないの?史文様は私の許婚なのに。お兄様すら幸華を優先するの」
「大丈夫よ!幸舞にこれをあげる」
そう千鶴が差し出したのは小さな小瓶だった。
「これは稀血の香水よ」
「香水?」
「ええ、一拭き体に振りかけるだけで妖は虜になる。勿論、神も例外ではないわ。これさえ使えば貴方は稀血の花嫁として認められるわ」
「本当?史文様も虜にできる?」
「勿論よ!香水には貴方の稀血が含まれてる。妖だろうが神だろうが所詮は稀血の誘惑に勝てっこないわ。これを使ってもう一度、貴方の力を青龍家に認めて貰うのよ。史文様を手に入れて。幸舞は愛される為に生まれてきたんだから!!」
愛される為に。
…そうよ、私は愛される為に生まれてきたの。
欲しい物は何だって手に入れてきた。
「近々、青龍家で生誕パーティーがあるわ。そこを狙うのよ」
「パーティー…史文様に会えるのね!!」
不義の子なんかの幸華に奪われてたまるものか。
幸舞は小瓶を握ればニヤリと笑った。



