拓真達はただポカンと私を見つめている。

なんか、腹立ってきた。

うだうだしてる自分にも、
夢の通り浮気してた拓真にも。

運命を変えられなかった?
なら今、ここで変えてやるっ!

私は拓真にずんずんと近づき、襟首を掴む。

「あんたが別れるって言うなら!!」

拓真に勢いよくキスをする。

「おかしくなるくらい
私のこと夢中にさせてやる!」

拓真は頰を赤く染め私を見つめた。
そして、ブハッと噴き出す。

「さすが、俺が好きになった桃花だ」

愛おしそうにわたしの頰を撫でる拓真。

「……は?」

何言ってんの?
あんた、今別れようって言ったよね?

「さっきのは嘘だ。ごめんな。
だけど、こうでもしないと
言ってくれなかっただろ、夢のこと」

夢、という単語に目を見開く。

「なんで、そのこと……」

「実は、俺も視たんだ、予知夢」

「え?」

どういうこと?
拓真も予知夢を視た?