その日、私と拓真は遊園地デートを
楽しんでいた。

お化け屋敷で拓真がビビりまくって逆に
お化け側を困惑させていたり、
ジェットコースターで一緒に悲鳴を上げたり、
これでもかってくらい楽しんでいた。

……だけど、いつまでその愛しい横顔を
隣で見ていられる?

「桃花?」

いつまで、一緒に並んで歩いてられる?

「おーい、桃花?どうしたんだよ、疲れたのか?」

「……いや、別に。
拓真ブサイクだなって思ってただけっ」

「ひどっ!!」

「拓真のブース!!」

「小学生かっ!そんなこと言うならもう別れるぞ?」

拓真の冗談に思わず足が止まった。
冗談だって分かってるのに、胸がざわめいて
落ち着かない。

「……桃花? まさか真に受けてんのか?」

「ねぇ、拓真……」

一瞬、あの夢のことを話そうと思った。
けど、口にしてしまったら最後
それが確定した未来になってしまいそうで、
開きかけていた口を閉じた。

「また、遊ぼう」

夕焼けが照らす世界で、私は
拓真に微笑みかけた。