「な、なんですって？！わ、私の縁談破棄！？どういうつもりなのよ！」

居間で、先ほどまでお父様と楽しくお茶を飲んでいたはずのお姉様、莉花（りか）お姉様がヒステリックな声をあげた。




「あらぁ、莉花、どうしたの？」

ゆったりと穏やかにお母さんが言った。

「わ、私の縁談、破棄された・・・・・！！」


すると、お母さんが先ほどとは打って変わって眉を吊り上げた。

「まぁ！相手は何を考えているのかしら！莉花なんて本当に感謝しても仕切れないほどイイじゃないの！身分的にも申し分ないし、性格も顔も最高級なのに。」



蝶よ花よって感じで可愛がられて、溺愛されて、なんでも好きにしてきた莉花お姉様。
今回の縁談破棄が信じられないのだろう。


「あーあ、風月さまと結婚する気まんまんだったのに。かなり幻滅しちゃったー。結構いい人だと思ったんだけど、猫被りだったんだね。破棄の理由はなんなの？お父様。」

すると、お父様はとても気まずそうに目を逸らしてから言った。