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夏休みが始まったとある日

今日も僕は部活で学校に向かっていた。

「落としましたよ!」

「あ、ありがとうございます」

天使が差し出したタオルを受け取る。

「はじめまして、いつも見てくれてるよね?」

「あっ…はい…め、迷惑でしたか…?」

「いや!迷惑じゃないよ!むしろ、嬉しい」

「あ、なら…良かったです」

そこからしばらく沈黙が続く。

「あの…!」

「はい?」

「私、日下部 藍羅って言うんですけど、お名前…聞いても…」

「あ、僕は平 緋彩です。よろしくお願いします」

「こちらこそ!よろしくお願いします」

こうして自己紹介を交わした所で最寄り駅に着く。

僕は電車から降りるべく席を立つと藍羅は座ったまま手を振り、別れの挨拶を交わす。

「またね」

「あ、はい!また」

プシュー…

ここで僕はふと彼女の服装を思い出す。


そういえば…


藍羅は冬服の制服を着ていた

「暑くなかったのかな…あの服」

と、不思議に思っていると

「よお!」

「おお。おはよ」

同じ部活動の友達鶴海 陽向(つるみ ひなた)が声をかけて来た。

「どうした?ボーッとして」

「いや…なんでもない」