目を覚ますとそこにはいつも俺が通勤に使っていた電車の車内が視界に入る。



「…?」



辺りを見渡して居ると不審者を見る目でお婆さんが俺を睨んでいたので慌てて視線を逸らす。




そうこうしてる間に電車は最寄り駅に着く。



夢だったのか…?にしては随分と長かったようなと思いながら会社の最寄り駅で降り会社へと向かった。



「あ、平山さんおはようございます」



「湯沢さんおはようございます」



後輩に挨拶されて挨拶を返し席に座りPCを点けると課長が声を上げた。



「新人紹介します新島未来さんと吉乃花音さんはい、自己紹介して」



「に、新島未来です。宜しくお願いします」



「吉乃花音です。宜しくお願いします」



とても美人な2人に周りから感嘆の溜息と「なぁ、めっちゃ可愛いくね?」などの声周りから聞こえて来る。



だが、陰キャの俺には関わる事も無いだろうとそのままスルーして仕事を始める。



だが、次第に頭の中を今朝見た夢が過ぎる。



「あの」



「あ、あの!」



「ん?」



「「道案内して欲しいんですけど…」」



と俺の二の腕に巨大な胸を押し付ける吉乃さん。



その場面を見た男は揃って"羨ましいぞ"という表情をする。



その後ろで新島さんが何故かむすっとした表情をしていた。



「わかったよ」



早く済ましてしまおうと足早に2人を案内する。



「ありがとうございました」



「ありがとうございました…」



「…どういたしまして」



本当こんな時にどう反応するのが正解なのかという悩みが一瞬頭を過ぎるが即座に隅に追いやり仕事を再開するのだった。