俺達が襲撃されてから数日後村長さんに御礼を言うべく俺達が襲撃された場所へたどり着く
「…来たかの」
「初めまして勇者のフウタです」
「よろしくのう、フウタ」
「はい」
「カイリーン村長」
「なんだ?」
部下と思しき人が村長さんに近づく。
どうやらカイリーンさんという名前らしい。
「村の門で住民達が騒いでいて…どうも聞いていた方がいらして情報をばら蒔いたようです」
「はぁ…まぁいい、今行く」
「聞いてたって?」
ゆぴぴに耳打ちで聞く。
「覚えてない?"村の門を潜った時点でコピーした"って」
確かにそんな事を少年が言ってたなと思い出す。
「じゃ、ふたりともこの結界を見張ってくれ」
カイリーン村長さんに頼まれ思わず頷いた。
「ありがとう」
にこっと微笑みカイリーン村長さんが去って行く。
「って言ってもまだ暫くは結界も大丈夫なんじゃないかな?」
確かにどこもヒビ割れとかは無さそうだ。
「あれから俺達のコピーが姿を現した事は…」
「ないって言ってた」
「そっか」
「本当にあの子は一体誰だったんだろう?」
「分からないけど今はもっと強くならなきゃ手出しは出来ないよな」
「そうだね」
「…どうしたら効率よく鍛えられるかな?」
ゆぴぴが呟くと
「そこの可愛いお嬢さん今までこの村を守ってきた魔法使いのこの僕がお嬢さんを鍛えて差し上げよう」
そして膝を付きゆぴぴに手を差し伸べる。
「お願いしたいんだけど貴方剣術は出来る?」
「…えっ?出来ないけど…」
「じゃあ、知り合いに剣術得意な方は?」
「…それなら集会所に行くといいよ。この村の全ての人が行くからねそこで呼びかけるといい」
「ありがとうそうするね…えっと…」
「あぁ!僕は非那月だ」
「非那月さん!ありがとうございました」
「それでこの僕に鍛えて上げさせてはくれないだろうか?」
「それはとても嬉しいけど、どうしてそこまでして?」
「惚れたんです」
「…」
ゆぴぴの髪で隠れ表情は見えなかったがきっと笑顔では無かったのだろう…彼は"冗談だよ!"と慌てたようだった。
「すみません、断らせていただきます…」
「本当に冗談だって!本当はカイリーン村長に頼まれたんだ彼女を鍛えて欲しいって」
「…そっか」
「あぁ、どうか考え直してはくれないだろうか?」
「もう…分かった、いいよ。よろしくお願いします」
ゆぴぴが折れると非那月は小さくガッツポーズを決めていた。
そして騒ぎを収め結界の元へ戻ってきた村長さんは俺を呼び出しこう聞いて来た。
「フウタ君、ステータスカードを見せて貰ってもいいかな?」
「はい」
ステータスカードをカイリーン村長に見せる。
「…ふむ、分かった…ありがとう」
「あの、ステータスカードを見てどうされたんです?」
「君はもっと強くなった方がいいからの、丁度いいやつを紹介出来たらと思ったんだ」
「はぁ…ありがとうございます」
「明日の朝ここに来てくれるかな?」
「はい、分かりました」
そして翌朝結界を見張っているカイリーン村長の元へ行くとそこには
「…あ、あの…初めまして…レイです」
ゆぴぴに負けず劣らず綺麗な顔とスタイルの美人が居たのだった。
「フウタですよろしくお願いします」
この子が俺の師匠的な感じの子かな?と思って挨拶をする。
だが、レイはずっとカイリーン村長に隠れ出て来ない。
「あの〜」
痺れを切らして俺は声をかける
「…」
だが、レイと名乗った彼女はそこから終始無言のまま時だけが流れた。
「すまんな、フウタ君レイはとても恥ずかしがり屋なんだ慣れるまで時間が掛かるだろうけど頑張ってくれたまえ」
カイリーン村長からはそうとだけ言われ2日目からは顔を見せる事も無くなった。
早く強くなりたいのにこんなんじゃゆぴぴに置いて行かれると次第に焦りを感じ始めレイを無視して俺流の技を磨くようになった。
「ねぇ、フウタ」
だが、俺の技術は一向に変わらない。
「おーい」
どうしてだ?
「もーフウタくん!?」
「…へ?何?」
「もー最近剣術の調子はどうなの?どんな子が師匠なの?って聞いてたの」
「師匠…か…」
と曖昧な返しでゆぴぴの顔に不安が宿る。
「どうしたの?」
「言葉を交わせないんだよ」
「は?どういうこと?」
「恥ずかしがり屋とかで自己紹介しかしてない」
「ふーん、で?男なの?」
「女」
「明日一緒に行っていい?」
「?俺はいいけどきっと退屈だよ」
「まぁまぁ、明日は何時に集合?」
「朝10時」
「分かったーじゃ、私この後用事あるから先に帰るね」
「じゃあ、また明日な」
「うん!また明日ね〜」
そして翌朝ゆぴぴと合流しレイの待つ村の奥の森に来た。
「結界の前で特訓してるの?」
「あぁ、カイリーン村長もいるし何よりレイさんが村長と一緒に会うって聞かないって言ってた」
「ふーん」
どことなくゆぴぴの機嫌が悪い気がしたが墓穴を掘るのも怖いので放っておく。
「あっ居た…」
俺がレイさんを見つけ声を上げるとゆぴぴはレイさんを睨みつける。
「…!」
レイさんはゆぴぴを見て村長の側へ駆け寄る。
「「おはようございます」」
「おはようフウタ君、ゆぴぴさん」
「村長、あの…あちらの女性は誰?」
レイさんが村長にゆぴぴの事を訪ねる。
「フウタ君のお友達ですよ」
「カ・ノ・ジ・ョですー!」
カイリーン村長の言葉に被せるようにゆぴぴが言う。
「はぁ…」
非常に困惑しているという表情で村長の後ろに隠れる。
「ところで今日はどういった御用かな?」
村長がゆぴぴに御用件を訪ねる。
「フウタ君まともに特訓出来てないらしいじゃないですか」
「そうだね…」
「なので他の方を紹介して欲しいんです」
「そうなんだがこの村にはレイ以上の腕の持ち主は居ないんじゃ」
「…なら、近くの村から紹介して貰うのは?」
「近くの村とは昔いざこざがあってな鎖国政策をもう長年してるんだ」
「…じゃあそこの方が慣れるまで待てと?」
ゆぴぴがレイさんを指さす。
「こら、ゆぴぴ人を指さすのはダメだろ。結局一人でやるしかないんだよ」
そう言って俺はみんなとは少し離れた場所で特訓をする。
「「…」」
誰も喋らなくなった森に暫く俺の剣を振る音だけが響いていた。
「…来たかの」
「初めまして勇者のフウタです」
「よろしくのう、フウタ」
「はい」
「カイリーン村長」
「なんだ?」
部下と思しき人が村長さんに近づく。
どうやらカイリーンさんという名前らしい。
「村の門で住民達が騒いでいて…どうも聞いていた方がいらして情報をばら蒔いたようです」
「はぁ…まぁいい、今行く」
「聞いてたって?」
ゆぴぴに耳打ちで聞く。
「覚えてない?"村の門を潜った時点でコピーした"って」
確かにそんな事を少年が言ってたなと思い出す。
「じゃ、ふたりともこの結界を見張ってくれ」
カイリーン村長さんに頼まれ思わず頷いた。
「ありがとう」
にこっと微笑みカイリーン村長さんが去って行く。
「って言ってもまだ暫くは結界も大丈夫なんじゃないかな?」
確かにどこもヒビ割れとかは無さそうだ。
「あれから俺達のコピーが姿を現した事は…」
「ないって言ってた」
「そっか」
「本当にあの子は一体誰だったんだろう?」
「分からないけど今はもっと強くならなきゃ手出しは出来ないよな」
「そうだね」
「…どうしたら効率よく鍛えられるかな?」
ゆぴぴが呟くと
「そこの可愛いお嬢さん今までこの村を守ってきた魔法使いのこの僕がお嬢さんを鍛えて差し上げよう」
そして膝を付きゆぴぴに手を差し伸べる。
「お願いしたいんだけど貴方剣術は出来る?」
「…えっ?出来ないけど…」
「じゃあ、知り合いに剣術得意な方は?」
「…それなら集会所に行くといいよ。この村の全ての人が行くからねそこで呼びかけるといい」
「ありがとうそうするね…えっと…」
「あぁ!僕は非那月だ」
「非那月さん!ありがとうございました」
「それでこの僕に鍛えて上げさせてはくれないだろうか?」
「それはとても嬉しいけど、どうしてそこまでして?」
「惚れたんです」
「…」
ゆぴぴの髪で隠れ表情は見えなかったがきっと笑顔では無かったのだろう…彼は"冗談だよ!"と慌てたようだった。
「すみません、断らせていただきます…」
「本当に冗談だって!本当はカイリーン村長に頼まれたんだ彼女を鍛えて欲しいって」
「…そっか」
「あぁ、どうか考え直してはくれないだろうか?」
「もう…分かった、いいよ。よろしくお願いします」
ゆぴぴが折れると非那月は小さくガッツポーズを決めていた。
そして騒ぎを収め結界の元へ戻ってきた村長さんは俺を呼び出しこう聞いて来た。
「フウタ君、ステータスカードを見せて貰ってもいいかな?」
「はい」
ステータスカードをカイリーン村長に見せる。
「…ふむ、分かった…ありがとう」
「あの、ステータスカードを見てどうされたんです?」
「君はもっと強くなった方がいいからの、丁度いいやつを紹介出来たらと思ったんだ」
「はぁ…ありがとうございます」
「明日の朝ここに来てくれるかな?」
「はい、分かりました」
そして翌朝結界を見張っているカイリーン村長の元へ行くとそこには
「…あ、あの…初めまして…レイです」
ゆぴぴに負けず劣らず綺麗な顔とスタイルの美人が居たのだった。
「フウタですよろしくお願いします」
この子が俺の師匠的な感じの子かな?と思って挨拶をする。
だが、レイはずっとカイリーン村長に隠れ出て来ない。
「あの〜」
痺れを切らして俺は声をかける
「…」
だが、レイと名乗った彼女はそこから終始無言のまま時だけが流れた。
「すまんな、フウタ君レイはとても恥ずかしがり屋なんだ慣れるまで時間が掛かるだろうけど頑張ってくれたまえ」
カイリーン村長からはそうとだけ言われ2日目からは顔を見せる事も無くなった。
早く強くなりたいのにこんなんじゃゆぴぴに置いて行かれると次第に焦りを感じ始めレイを無視して俺流の技を磨くようになった。
「ねぇ、フウタ」
だが、俺の技術は一向に変わらない。
「おーい」
どうしてだ?
「もーフウタくん!?」
「…へ?何?」
「もー最近剣術の調子はどうなの?どんな子が師匠なの?って聞いてたの」
「師匠…か…」
と曖昧な返しでゆぴぴの顔に不安が宿る。
「どうしたの?」
「言葉を交わせないんだよ」
「は?どういうこと?」
「恥ずかしがり屋とかで自己紹介しかしてない」
「ふーん、で?男なの?」
「女」
「明日一緒に行っていい?」
「?俺はいいけどきっと退屈だよ」
「まぁまぁ、明日は何時に集合?」
「朝10時」
「分かったーじゃ、私この後用事あるから先に帰るね」
「じゃあ、また明日な」
「うん!また明日ね〜」
そして翌朝ゆぴぴと合流しレイの待つ村の奥の森に来た。
「結界の前で特訓してるの?」
「あぁ、カイリーン村長もいるし何よりレイさんが村長と一緒に会うって聞かないって言ってた」
「ふーん」
どことなくゆぴぴの機嫌が悪い気がしたが墓穴を掘るのも怖いので放っておく。
「あっ居た…」
俺がレイさんを見つけ声を上げるとゆぴぴはレイさんを睨みつける。
「…!」
レイさんはゆぴぴを見て村長の側へ駆け寄る。
「「おはようございます」」
「おはようフウタ君、ゆぴぴさん」
「村長、あの…あちらの女性は誰?」
レイさんが村長にゆぴぴの事を訪ねる。
「フウタ君のお友達ですよ」
「カ・ノ・ジ・ョですー!」
カイリーン村長の言葉に被せるようにゆぴぴが言う。
「はぁ…」
非常に困惑しているという表情で村長の後ろに隠れる。
「ところで今日はどういった御用かな?」
村長がゆぴぴに御用件を訪ねる。
「フウタ君まともに特訓出来てないらしいじゃないですか」
「そうだね…」
「なので他の方を紹介して欲しいんです」
「そうなんだがこの村にはレイ以上の腕の持ち主は居ないんじゃ」
「…なら、近くの村から紹介して貰うのは?」
「近くの村とは昔いざこざがあってな鎖国政策をもう長年してるんだ」
「…じゃあそこの方が慣れるまで待てと?」
ゆぴぴがレイさんを指さす。
「こら、ゆぴぴ人を指さすのはダメだろ。結局一人でやるしかないんだよ」
そう言って俺はみんなとは少し離れた場所で特訓をする。
「「…」」
誰も喋らなくなった森に暫く俺の剣を振る音だけが響いていた。



