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　あれから時間はあっという間に流れていって、気が付けば体育祭当日。

「体操服に着替えるの、学校についてからでいっか」

　制服に着替えた俺は、今日は食堂開いているし弁当は作らなくていっかな～と考え、お茶の入った水筒を持っていく事に決めた。

「いってくる」
「気を付けてね」

　2日目くらいから母親はりゅうくんとはいかないの？　とは聞かなくなった。助かるけどちょっと寂しい。玄関の扉を開くと雲ひとつない青空から太陽の光がさんさんと熱を帯びながら降り注いでいる。
　今日は暑くなりそうだ。

「おっす」

　教室につくと体操服姿の忍がスマホで何やら漫画を読んでいた。机の上にはぴっちりと折りたたまれた制服が置かれている。こいつも教室に来てから着替えたパターンか。

「朝練なかったんだ」
「ウェイトだけだな」
「そか、グラウンド使えないもんな」
「コース整備したのは1年達っていうな」

　サッカー部員の1年生達がグラウンドの整備をしたと聞いて、その中に竜輝もいたのかなと体操服に着替えながら考えてみる。

「今日の主張time楽しみにしてっから」
「おいおい、そう言われても……」

　ハードルが上がるのでやめてほしい。俺の性格上おしゃれな告白なんて無理に決まってるんだから。

「ちょっと、桜井君いい～？　話あんだけど」

　このタイミングでメイク中の1軍女子が俺と忍を呼び出そうとする。アイツらの狙いはこうだ。主張timeで竜輝に告る気だろ？　と問いたいんだろう。