「先輩方が同じ図書委員だって知って羨まし――じゃなかった、だから仲がいいのかと思ったんですけど、なんと中学まで一緒だったって言うじゃないですか。それは仲がいいわけですよ。それに、同じクラスの図書委員の人にそれとなく聞いてみたら、他の委員の人達と比べて特別仲がいいって言うから。やっぱり協力してもらうなら、先輩しかいないと思って!」
「特別……ってことはないと思うけど」
全員出席の委員会がある時に見ていれば、佐渡は誰にでもあの調子でフレンドリーに話しかけている。自分だけが特別だと感じたことは、吉野はなかった。
「でも!この間も昼休みに先輩と一緒でしたよね?昼休みの当番は一人だって聞いてますよ。ってことは、どっちかが当番でもないのにわざわざ図書室に行ってたってことですよね」
“この間”と言われて真っ先に浮かんだのは、佐渡に誘われて吉野が会いに行った日のこと。
けれどその日図書室の利用者はいなかったし、山上に図書室で会ったのは吉野が当番の日だった。
あの日わざわざ図書室に来たのは、佐渡の方だ。
「特別……ってことはないと思うけど」
全員出席の委員会がある時に見ていれば、佐渡は誰にでもあの調子でフレンドリーに話しかけている。自分だけが特別だと感じたことは、吉野はなかった。
「でも!この間も昼休みに先輩と一緒でしたよね?昼休みの当番は一人だって聞いてますよ。ってことは、どっちかが当番でもないのにわざわざ図書室に行ってたってことですよね」
“この間”と言われて真っ先に浮かんだのは、佐渡に誘われて吉野が会いに行った日のこと。
けれどその日図書室の利用者はいなかったし、山上に図書室で会ったのは吉野が当番の日だった。
あの日わざわざ図書室に来たのは、佐渡の方だ。



