「私の教室だったら近いんですけど、出て来る時まだ人がいたんですよね。先輩の教室はどうですか?まだ人いました?」
「いや……」
みな早々と散ってしまって、吉野は一人きりの静かな空間で集中して宿題をすることが出来た。
「じゃあ先輩の教室に行きましょう!」
山上は階段の方へと歩き出す。吉野は仕方なくそれに続いた。
「先輩方の教室って、普段行くことがないからなんかドキドキしますね」
「一年生の教室と変わらないと思うけど」
当たり前だが内装も机のレイアウトも同じだ。違うことがあるとすれば、室内の壁に貼られているプリントぐらいのものだろう。
吉野の教室に向かっているはずなのに、なぜだか先頭を歩いている山上はどこまでも階段を上っていこうとして、「……どこに行く気なの」呆れ顔の吉野の声で立ち止まる。
その声に、途中まで上っていた階段を駆け下りて来た山上は「学校ってどうしてこうどこも同じような景色なんでしょうね。これなら迷っても仕方がないですよ」などと言う。
吉野は呆れて返す言葉もなく、その台詞を聞こえなかったふりでスルーした。
「いや……」
みな早々と散ってしまって、吉野は一人きりの静かな空間で集中して宿題をすることが出来た。
「じゃあ先輩の教室に行きましょう!」
山上は階段の方へと歩き出す。吉野は仕方なくそれに続いた。
「先輩方の教室って、普段行くことがないからなんかドキドキしますね」
「一年生の教室と変わらないと思うけど」
当たり前だが内装も机のレイアウトも同じだ。違うことがあるとすれば、室内の壁に貼られているプリントぐらいのものだろう。
吉野の教室に向かっているはずなのに、なぜだか先頭を歩いている山上はどこまでも階段を上っていこうとして、「……どこに行く気なの」呆れ顔の吉野の声で立ち止まる。
その声に、途中まで上っていた階段を駆け下りて来た山上は「学校ってどうしてこうどこも同じような景色なんでしょうね。これなら迷っても仕方がないですよ」などと言う。
吉野は呆れて返す言葉もなく、その台詞を聞こえなかったふりでスルーした。



