「あ、吉野先輩!」
自分を呼ぶ大声に嫌な予感がしつつ振り返ると、そこにはやはりというか、予想通りの女子がいた。
最後の授業が体育だったのか、それとも部活中なのかは不明だが、ジャージを着ている彼女の胸元にはフルネームが刺繍されている。
その、山上という刺繡を見て、吉野はようやく彼女の名前を思い出した。
「お疲れ様です!先輩、この時間にこの辺りにいるということは、今日は図書当番じゃないってことですよね」
放課後に入ってから、結構な時間が経っている。帰宅部は既に家に、部活動に所属している者達は各々の活動に勤しんでいる頃。
そんな時間まで、図書当番でもない帰宅部の吉野が学校で何をしていたかと言えば、前回生徒玄関で山上に捕まった経験を活かし、もう捕まらないようにするために教室で宿題をして時間を潰していたのだ。
それなのに、結局こうして捕まったわけだけれど。
「あの、先輩に改めてお話があって」
「図書に関することだったら、自分のクラスの委員の人に言ってくれればいいから」
自分を呼ぶ大声に嫌な予感がしつつ振り返ると、そこにはやはりというか、予想通りの女子がいた。
最後の授業が体育だったのか、それとも部活中なのかは不明だが、ジャージを着ている彼女の胸元にはフルネームが刺繍されている。
その、山上という刺繡を見て、吉野はようやく彼女の名前を思い出した。
「お疲れ様です!先輩、この時間にこの辺りにいるということは、今日は図書当番じゃないってことですよね」
放課後に入ってから、結構な時間が経っている。帰宅部は既に家に、部活動に所属している者達は各々の活動に勤しんでいる頃。
そんな時間まで、図書当番でもない帰宅部の吉野が学校で何をしていたかと言えば、前回生徒玄関で山上に捕まった経験を活かし、もう捕まらないようにするために教室で宿題をして時間を潰していたのだ。
それなのに、結局こうして捕まったわけだけれど。
「あの、先輩に改めてお話があって」
「図書に関することだったら、自分のクラスの委員の人に言ってくれればいいから」



