余計なことを言うと、それをネタにおちょくられそうだったので、川居は短く答える。
それを受けて佐渡は「なるほどねー」などと頷き
「とりあえずは“腐れ縁”ってことにしといてあげるよ」
と言って、にやっと意味ありげに笑った。川居は、言い返すよりもここで話を終わらせた方が得策と判断し、佐渡の言葉を聞き流した。
「それにしても保育園か……、俺も世那と一緒だったらなー。きっとさ、可愛かったと思うんだよね、園児の世那」
「お前と吉野は、中学が一緒なんだったか」
「小学校も一緒だよ。俺が小四の時に、二つ隣の家に世那が越して来て知り合った」
その頃の吉野は今のように仏頂面がデフォルトではなかったのだが、代わりに人見知りが激しかった。
そんな吉野が母親と共に引っ越しの挨拶に訪れたのが、出会い。
世話好きなところのある佐渡の母から「困ったことがあったら何でも遠慮なく――」と言われ、「実は息子が人見知りで……」と吉野の母が相談を持ち掛けたことで、息子同士の交流が始まり今に至る。
それを受けて佐渡は「なるほどねー」などと頷き
「とりあえずは“腐れ縁”ってことにしといてあげるよ」
と言って、にやっと意味ありげに笑った。川居は、言い返すよりもここで話を終わらせた方が得策と判断し、佐渡の言葉を聞き流した。
「それにしても保育園か……、俺も世那と一緒だったらなー。きっとさ、可愛かったと思うんだよね、園児の世那」
「お前と吉野は、中学が一緒なんだったか」
「小学校も一緒だよ。俺が小四の時に、二つ隣の家に世那が越して来て知り合った」
その頃の吉野は今のように仏頂面がデフォルトではなかったのだが、代わりに人見知りが激しかった。
そんな吉野が母親と共に引っ越しの挨拶に訪れたのが、出会い。
世話好きなところのある佐渡の母から「困ったことがあったら何でも遠慮なく――」と言われ、「実は息子が人見知りで……」と吉野の母が相談を持ち掛けたことで、息子同士の交流が始まり今に至る。



