「別に、素直に喜んだっていいのに。そういうところがほんと、可愛いよね」
おいで、と腕を引かれ、吉野はカウンター内へと引っ張り込まれる。
それほど強い力で引っ張られたわけでもないのに、結局カウンター内に入ってしまったのは、吉野がそれほど強く抗わなかったから。
むしろ、引っ張られるままに素直にカウンターに入ったと言ってもいいくらい。
佐渡は、腕を掴む手をするすると下ろして、吉野の手をそっと握る。その瞬間、びくっと吉野の肩が跳ねた。
それを見てくすっと笑った佐渡は、自分の膝をぽんぽんと叩いて見せる。
「ここ、座っていいよ」
冗談だろう、と佐渡の顔を見た吉野だったが、楽しそうなその笑顔から真偽は読み取れない。
「……遠慮しておきます」
まあ本気だろうと冗談だろうと断るという選択肢は揺らがないので、吉野は佐渡の隣に見える空いている椅子の方に向かう。
おいで、と腕を引かれ、吉野はカウンター内へと引っ張り込まれる。
それほど強い力で引っ張られたわけでもないのに、結局カウンター内に入ってしまったのは、吉野がそれほど強く抗わなかったから。
むしろ、引っ張られるままに素直にカウンターに入ったと言ってもいいくらい。
佐渡は、腕を掴む手をするすると下ろして、吉野の手をそっと握る。その瞬間、びくっと吉野の肩が跳ねた。
それを見てくすっと笑った佐渡は、自分の膝をぽんぽんと叩いて見せる。
「ここ、座っていいよ」
冗談だろう、と佐渡の顔を見た吉野だったが、楽しそうなその笑顔から真偽は読み取れない。
「……遠慮しておきます」
まあ本気だろうと冗談だろうと断るという選択肢は揺らがないので、吉野は佐渡の隣に見える空いている椅子の方に向かう。



