大して居心地がいいわけでもないけれど、居ること自体に問題はない現状が、居づらいに変わるのはとても困る。
中学のようにクラス替えという制度がないから、このままのクラスで卒業までを過ごさなければいけないことを考えると、出来るだけ現状をキープしたい。
そのためには、さっさとこの女子との会話を切り上げてここから逃げ出したいところなのだが、回れ右をして逃げたところで追いかけくる彼女のせいで無駄に視線を集めそうだし、前方は彼女が立ち塞がっていて逃げ道がない。
本当は引き受けたくないが、ここは引き受けるしかないのか……と吉野の中に諦めの気持ちが広がっていく。
己の平穏な学生生活を守るためには、耐えなければならない苦しさもある。平穏な学生生活を捨ててもいいと思えるほどの強い想いが自分にはないと、そういうことだ。
ずきずきとした胸の痛みに耐えながら、吉野が返事のために口を開くと
「あれ、吉野くんじゃん」
大きくもないがよく通る声が響き、女子達が揃ってそちらを、吉野の後ろを見て固まった。
中学のようにクラス替えという制度がないから、このままのクラスで卒業までを過ごさなければいけないことを考えると、出来るだけ現状をキープしたい。
そのためには、さっさとこの女子との会話を切り上げてここから逃げ出したいところなのだが、回れ右をして逃げたところで追いかけくる彼女のせいで無駄に視線を集めそうだし、前方は彼女が立ち塞がっていて逃げ道がない。
本当は引き受けたくないが、ここは引き受けるしかないのか……と吉野の中に諦めの気持ちが広がっていく。
己の平穏な学生生活を守るためには、耐えなければならない苦しさもある。平穏な学生生活を捨ててもいいと思えるほどの強い想いが自分にはないと、そういうことだ。
ずきずきとした胸の痛みに耐えながら、吉野が返事のために口を開くと
「あれ、吉野くんじゃん」
大きくもないがよく通る声が響き、女子達が揃ってそちらを、吉野の後ろを見て固まった。



