君の声は甘く優しく、募る想いは切なく苦しく

顔を知っていると言うだけで、同じく接点のない吉野に厚かましい頼みごとをしている時点で、吉野には引かれている。
まあ彼女にとって、吉野が自分をどう思っているかなどどうでもいいのだろうけれど。


「それなら、他の図書委員だって接点あると思うけど」


各クラスに一人図書委員がいるのだから、何も協力するのは吉野でなくてもいいはずだ。先輩の吉野ではなく、自分のクラスの図書委員に頼んでほしい。


「それは確かにそうなんですけど、ほら、そういう話って、仲がいい人の方が話しやすいみたいなところあるじゃないですか!それに、どこのクラスの図書委員も先輩にそういうこと聞けるタイプじゃないですし。そういうタイプが集まっている図書委員に、先輩が属していることがそもそも驚きですし」


確かに現在の図書委員には、吉野を含め静かなタイプというか、もっと言うと地味めなタイプが多い。
そんな中にいる佐渡は、異質というかまあ場違い感はある。佐渡が図書委員であることが驚きだと言うのは、吉野も同感だった。