昔からクラスに友達がいないから、忘れ物をしても知らせてくれる人がいなくて、なぜかそういう時は大抵、佐渡が届けてくれることが多かった。
学年が違うのにどうやって吉野の忘れ物情報を手に入れているのか、その謎は未だ解明されていない。
本人に聞いても「さすが俺でしょ?」なんてふざけた回答しか返ってこないので、吉野はもう謎の解明を諦めている。
「忘れ物じゃないなら、誰かに用事ですか?向こうの自習スペースの方に、何人かいますよ。あと、さっきまでそっちの図鑑の棚の方にも人が」
探し人の名前を言われてもどの人かわからないので、吉野は人のいる場所を教える。
けれど佐渡は、一応吉野が示した場所に視線を動かしはしたが、一向にカウンターの前から動こうとしなかった。
「人に会いに来たのはその通りなんだけどね」
示しされた場所を見ていた視線が、吉野の方へと戻ってくる。
「俺は、世那に会いに来たんだよ」
佐渡は、笑顔でそう続けた。
その瞬間、吉野の心臓が跳ね上がる。心拍数が一気に上がって、体温が上昇していくのを感じる。
下の名前を親しげに呼ばれるだけで、こんなにも嬉しくなってしまう自分が悔しい。
学年が違うのにどうやって吉野の忘れ物情報を手に入れているのか、その謎は未だ解明されていない。
本人に聞いても「さすが俺でしょ?」なんてふざけた回答しか返ってこないので、吉野はもう謎の解明を諦めている。
「忘れ物じゃないなら、誰かに用事ですか?向こうの自習スペースの方に、何人かいますよ。あと、さっきまでそっちの図鑑の棚の方にも人が」
探し人の名前を言われてもどの人かわからないので、吉野は人のいる場所を教える。
けれど佐渡は、一応吉野が示した場所に視線を動かしはしたが、一向にカウンターの前から動こうとしなかった。
「人に会いに来たのはその通りなんだけどね」
示しされた場所を見ていた視線が、吉野の方へと戻ってくる。
「俺は、世那に会いに来たんだよ」
佐渡は、笑顔でそう続けた。
その瞬間、吉野の心臓が跳ね上がる。心拍数が一気に上がって、体温が上昇していくのを感じる。
下の名前を親しげに呼ばれるだけで、こんなにも嬉しくなってしまう自分が悔しい。



