君の声は甘く優しく、募る想いは切なく苦しく

確かに全部事実だけれど、それをあえて佐渡の耳に入れるのには一体どういった理由があるのか。そしてそれは誰なのか。
疑問に思うところではあるが、佐渡は昔から、それは一体誰から聞いているのか、どうやってその情報を手に入れているのかと思うような吉野の情報を知っていることがある。

何度か問い質したことはあるが、まともな答えが返ってきたことはないので、吉野は聞き出すことを半ば諦めていた。


「忘れてないよね、吉野くん。俺以外に可愛い顔を見せたら、公開ハグの刑だよ」

「……それは、冗談で言ってたやつですよね?」


確かにそんなことを佐渡は言っていたけれど、本気で言っているとは吉野は思っていなかった。どうせまたいつものからかって遊んでいるだけだろうと。


「さて、どうだろうね」


にこっと笑ってみせる佐渡の笑顔からは、真偽が読み取れない。冗談か本気かまるでわからない。
だが、例えそれが本気だろうとも、別に吉野は山上とそれほど仲良くしているつもりもない。