君の声は甘く優しく、募る想いは切なく苦しく

「吉野くんさ、最近あの一年の子とやたら仲がいいって噂を聞いたんだけど、本当?」

「……あの一年って、山上さんのことですか?」

「名前は知らないけど、あの勢いのすごい子。吉野くんのライバルの」

「ライバル……」


確かに本人はライバル宣言をしていたし、佐渡を想う者同士という点ではライバルに違いないけれど、吉野の気持ちに気が付いてライバル認定したというよりは、佐渡の言動を見てライバル認定された節があるので、吉野としてはその辺りを疑問に思っているのだが、それを山上本人に問い質すには至っていない。

気にはなるが、聞いたら最後、話がとんでもなく長くなりそうな予感がしているので、聞くに聞けずにいる。


「昼休みに図書室で一緒だったり、廊下で声かけられてたり、放課後に生徒玄関前で話し込んだりしているところをよく見るって聞いてるけど?」

「……誰に聞いてるんですか、それ」