正直静かに読書を楽しむようなタイプには思えなかったので、佐渡目当てに図書室に来ているのかと思っていたのだが、たまに借りていく本は短編集でも写真やイラスト多めの本でもなく、がっつりと読むタイプの本なので、意外に読書好きなのかもしれない。
返しに来る時に吉野がカウンターにいると、聞いてもいないのに本の感想を言ってくるので、フェイクで借りているわけでもなくちゃんと読んでいるようだし。
「うう……吉野先輩がいるってことは先輩も来る確率が高いので、本当はもう少し粘っていたいところではあるんですけど、今日はこのあと学級委員の話し合いがあるんですよね。行かないと委員長に怒られる……」
悔しげに呟いて、悩ましげにため息をついて、やがて山上は貸出手続きの終わった本を手に、ドアの方へと向かう。
「それじゃあ先輩、また近いうちに。廊下で会った時とかは遠慮せず声をかけてください」
失礼しました、と律義に頭を下げて、山上が図書室を出て行く。それから数十分ほど経過した頃に、山上が会いたがっていた佐渡が姿を現した。
返しに来る時に吉野がカウンターにいると、聞いてもいないのに本の感想を言ってくるので、フェイクで借りているわけでもなくちゃんと読んでいるようだし。
「うう……吉野先輩がいるってことは先輩も来る確率が高いので、本当はもう少し粘っていたいところではあるんですけど、今日はこのあと学級委員の話し合いがあるんですよね。行かないと委員長に怒られる……」
悔しげに呟いて、悩ましげにため息をついて、やがて山上は貸出手続きの終わった本を手に、ドアの方へと向かう。
「それじゃあ先輩、また近いうちに。廊下で会った時とかは遠慮せず声をかけてください」
失礼しました、と律義に頭を下げて、山上が図書室を出て行く。それから数十分ほど経過した頃に、山上が会いたがっていた佐渡が姿を現した。



